猫の火葬でお客様がこんな話をしてくれました。
「この子は野良猫でした。最近3週間も何処かに行ってしまい、もう駄目かなと思っていたら帰ってきました。」「でもすぐに死んでしまいました。」と言って涙を流していました。
猫ちゃんは、死ぬときは姿を隠して人知れず死んでいくと言われていますが、今回はその逆です。
勝手な想像ですが、この猫ちゃんは具合が悪くなり、そっと人目に付かない所に身を潜めて治るのをジッと待っていたと思います。
そのお陰で具合が良くなってきたのでしょう、ですから飼い主さんの元に戻ったのだと思います。然しながら、長い間食事も取らずにずっと耐えていたので、体が衰弱してしまいました。
家に帰ってきた猫はひどく痩せていたそうです。家に帰ってお水と鰹節をぺろぺろとなめて眠ってしまいました。
体は良くなってのでしょうが、衰弱がひどくそのまま息を引取ったのだと思います。
以上が私の推理ですが、自宅に戻って来てくれたと言う事を飼い主の皆様は喜んでいると思います。
立会ってお骨も拾えて、そのお骨もご供養が出来ます。
人知れず何処かで息を引取ってしまったら大事な家族と思っている猫が行方不明の儘になってしまいます。
猫ちゃんが帰って来てくれただけで、お客様は喜んでいました。
でも「もう少し生きてくれたら。」とも言っていました。
衰弱して帰ってきたときに獣医さんに連れて行って点滴でも受けたらよかったんですが、
そんな事思いつきませんでした。
こうして、死んでしまうと「ああすれば良かった。」「こうすれば良かった。」と思いますが、後の祭りです。
飼い主さんは、こうして後悔をしていますが、帰って来てくれたから思うことで、人知れず死んでしまったら、こう思うことも出来ません。
後で、息子さんとこの遺骨をどうするかを考えるそうですが、猫ちゃんの成仏を唯、唯お祈りするばかりです・・・・・・・・・・・・。合掌