「グレートピレニーズのお客様から無理やりにお願いさせてしまいました。」と横浜の知合いの火葬業者から電話が掛かってきました。
この会社は、大型犬などの火葬している会社ですが、大型犬の数は月に1頭か2頭位の割合だそうです。お客様は横浜市に電話して火葬が出来るか聞いた所,出来ないとの返事だったそうです。
大きすぎて出来ないのか、込み合っていて出来ないのかは、不明ですが兎に角出来ないということなので色んな業者に電話したのでしょう。
50キロ超のグレートピレニーズですから、無理もありません。
「電話が掛かってきて泣く泣くお願いをされてしまいました。」と言っていました。
そこで、「当社に火葬のご指導をお願いします。」と頭を下げてお願いさせてしまいました。
知らない仲ではありませんし、時々八王子近辺の火葬の注文が来たときにお客様に「近くで火葬の上手くて金額の安い業者がいますのでその業者をご紹介します。」と紹介され、直接お客様にこちらから電話をして火葬を受けさせて頂いてもいますのでお手伝いをする事にいたしました。
今日は丁度非番でお寺のお施餓鬼に寺世話人として来ています。
そこで、青梅に来ていただけるならお手伝いをさせて頂きますと言って御指導させていただくことにいたしました。
50キロのグレートピレニーズで、日射病らしいです。
このクラスで日射病は、病気で体重が減ってきたグレートピレニーズと比べて脂ののりも良く。火葬業者としては大変な超大物です。
このクラスになると、殆どの火葬業者は出来ません。
火葬した事がある業者でも、時間に余裕がない限りなるべき受けないようにしています。
訳は、火葬が大変で黒煙や臭いの発生が避けられないことです。又本体の火葬が終了してもそのグレートピレニーズから出た脂が火葬炉に残ってしまい、何時間も燃え続き火葬が終了しないことです。
当社でも55キロのボーダーコリーを火葬して4時間30分も掛かった経験があります。
この時から火葬炉を受け皿の上に溜まった脂を燃えやすい状況にする為に、受け皿とその上に載せて過燃焼を防止する装置との間を開けてなるべく溜まった脂を短期間に燃焼を終了するように改良しています。
ですから、時間も4時間半も掛かるようなことは無くなりましたが、通常の火葬業者ではこういう火葬炉内の改良をしていません。
今回、この様な経ってのお願でしたので、お施餓鬼のお食事もそこそこ、その業者の待つコンビニへ行って、青梅の本社に連れてきました。
グレートピレニーズですから、事前の準備が相当必要です。
本社に行って、積んであるグレートピレニーズちゃんを下して、火葬炉準備を行いました。
今回は、sm−36の最高難度の火葬の準備を行いました。
燃え上がらない為の火葬の準備、燃え上がった時の為の準備、長時間の火葬になった場合の発電機の燃料持参、お骨が確りと綺麗に残るための準備等最強の準備と火葬炉の態勢を整えて火葬場所へ向かいました。
13時40分火葬開始
ゆっくりと燃焼させながら大胆に進めました。600度から650度の辺りの温度を保ちながら脂を絞っていきます。
一次を切ったり入れたりしながら、温度をこの範囲に留めて行っての火葬です。
超大型犬は、一旦脂に火がついてしまって火力が増してくると手の付けようがなくなったしまうことがありますので、この作業は慎重に慎重にです。
でも、sm-36の効果でしょうか、この温度内の温度抑制が凄く簡単に出来れいます。
「凄いですね。このsm-36の効果は。」とビックリしていました。
火葬時間も2時間でほぼ終了です。グレートプレニーズちゃんは真っ白なお骨になってしましました。
これからが、火葬炉の受け皿に溜まった脂がいつ燃え尽きるかの戦いです。
今回の火葬車は、私達の火葬車の様に過燃焼防止装置と受け皿の隙間がありません。
その為、この脂の燃え尽きさせる手間が相当だろうと思っていましたが、全く終わる気配が致しません。火葬して4時間半ぐらいして脇から出てくる炎も小さくなって殆ど無くなりましたので、もう大丈夫だろうと火葬を終了して本社まで戻る途中で車の中に煙が出てきました。
これは、未だ火葬炉が燃えている証拠です。
受け皿と過燃焼防止装置の間の過ぎ間がないので分かりませんが、まだまだ火葬が必ような証拠です。
本社から4分位の所なので後1分で本社に着くので、本社で再び脂の燃焼をさせることに致しました。
本社に着いて、火葬炉の中の構造が悪いと判断して、過燃焼防止装置と受け皿の間を覆っている部材を取り除きますと、一気にカスかした脂の蒸気が上がって来て直ぐに燃焼を始めました。
やっぱり、それから1時間30分で受け皿に溜まっていた脂が全て燃え尽きて完全に燃焼が終り火葬が終了いたしました。
合計6時間の火葬となりましたが、お骨も綺麗に火葬できていました。
チョッと頭のお骨が弱かったせいか、頭が崩れていたことが残念な事でしたが、火葬の指導をした結果、最後の脂の燃焼に時間は掛かりましたが、これは火葬炉の構造を直しさえすれば解決するもので、全体的にこの火葬法をこの会社は覚えてと思っています。
最後に、「この火葬方法がなければ今回の火葬は、きっと黒煙モクモクの大炎上をしていたことだと思いました。」「有難うございました。」と言ってお客様の元へ帰っていきました。
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