火葬した時に発見した大きな肝硬変のお話です。
パグ犬の火葬でした。
お客様も死亡原因は、肝臓と腎臓と書いていましたが、こんなに大きな肝硬変があるとは分からなかったようです。
8キロから9キロの体重のあまり大きくなかったですが、お腹の所が大きくふくれている子でした。お客様に「亡くなってからお腹が膨らんだのですか?」と質問すると、「前からでした。」とお答えになりました。
この子は、「肥りすぎでお腹が大きくなったのかな?」と思いながら小型の火葬炉では、万が一の事があっては大変ですので、大型の火葬車で火葬することに致しました。
火葬を開始してから、すぐに普段起きないことが2回ありました。
一回目は、お腹の所からウンチの色ではないものが出てきました。色は乳白色でその中にごま塩が混ざっているようなものでした。
量も可也あって「なんだろうな?」と頭を傾げる様なものでした。
2回目は、火葬中肩甲骨が随分下にあるように見えました。火葬が進むにつれて肩甲骨ではない何か硬いお骨見たいですが、「凄く大きな塊」だと分かりました。
肩甲骨の下にあって肋骨の中にあります。
大きさは、縦が6センチ位で横が10センチ位に見えます。何でしょう。
火葬がもっと進んできますと、その他の臓器は燃え尽きて来ていますが、その塊だけが異様に残っています。
もしかすると、肝臓辺りですから肝硬変の大きな塊ではないかと推察することが出来るようになりました。
その塊が肝硬変なら話のつじつまが合います。
でも、凄く大きな塊です。その塊が邪魔をしてその裏側にある内臓が燃え尽きるまでかなりの時間が掛かりそうでした。
火葬も終盤を迎えると、その肝硬変の塊の右側(肩甲骨のすぐ下)に別の塊が残っています。この塊ももしかすると腫瘍の塊ではないかと思われました。
火葬時間も40分で終了できましたが、肝硬変の塊の裏側と腫瘍の塊の火葬が心配なのでもうお5分時間を延ばして火葬を致しました。
火葬が終了してペット霊園に戻って火葬炉を開けて確認しましたところ、大きな塊は豆炭の残った灰のような形をしている肝硬変の典型的な塊でした。
「やっぱり。」
それとその脇にある黒い塊は、やっぱり腫瘍の塊でした。
凄いですね。このパグ犬ちゃんは大きな病気を二つも持っていて8歳2か月も頑張ったのですから。
それともう一つ気になることがありました。
最初にお腹から、出てきた乳白色でごま塩が混ざっているような物の燃え痕です。
良く見て見ると硬い白い塊が網にいっぱいついて残っています。また同じような長さが3センチ位で直径1センチ位に円柱の燃えカスもその所にあります。
両者を指で潰そうとしても潰れませんでした。石化したものでその塊が何だか分かりませんでしたが、残っていました。
お客様に肝硬変と肺の所にある腫瘍を説明し、石化した白い円柱形の塊もお見せいたしましたら、「こんなに悪くなっていたのですね。」とビックリしていました。
それにしても、この様な大きな肝硬変の塊等があるのは初めてです。「その悪い所は別に処分してください。」と言っていましたが、飼い主のお客様もさぞショックだったかもしれません。
バグ犬ちゃんのご冥福をお祈りいたします。