今朝一番のお客様は、埼玉県日高市からシェルティー14キロの立会い火葬のお客様でした。
丁度10時にペット霊園に到着しましたが、チョッと迷ったのでしょう。一旦通り過ぎて戻ってきたようです。お客様に「ここら辺は良くいらっしゃるのですか?」と聞くよ「初めてです。」「大通りを通り越してしまいました。」と言っていました。
シェルティーちゃんは、ダンボールの中に窮屈そうに寝かせてありましたが、毛が長く、毛並みが凄く綺麗な素晴らしいシェルティーちゃんでした。
「無宗教ですからお経は要りません。」
お線香を上げて礼拝所でお葬式、ダンボールの箱を抱えて大型の火葬車の所に連れてきてくれました。
火葬炉では、自分のお花と霊園のお花、そして食べ物を入れて飾り付けを行いました。綺麗に飾り付けられ写真もパチパチ。最後にお腹やお顔を擦って火葬炉が閉じられるのを見ていました。
「今回10分ほど離れた場所で火葬してまいります。時間は戻ってくるまで1時間30分位でしょう。」と言って出棺いたしました。
シェルティーちゃんですから、火葬する前に電気で照らして火葬炉に載せた位地がずれていないか確認してから点火です。シェルティーちゃんは毛並みが良いので火葬場までの道中で滑って動いている場合がシバシバあります。
今回は、動かずにそのまま居てくれたので、すぐに点火することが出来ました。火葬してすぐ、流石シェルティーちゃんです。火の燃え方が半端ではありません。ドンドン温度が上がっていきます。
400度を越えた辺りで第一次バーナーの空気を強制的に開きました。続いて一時の燃焼を切って燃焼を続けます。ここで一旦燃え上がっている火を弱めることに致しました。この方法は企業秘密です。
火が弱まってから、又燃え上がってくるのを見越して強制空気の注入を始めました。この強制空気の注入は向きを斜めに向けて行なわないと、この旧型の火葬炉は密閉度が低いため下から煙が漏れてしまいます。
今回も最初、正面から入れていましたら、焦げ臭い臭いがして来ました。これは火葬炉の下から煙が漏れている証拠です。すぐに脇から入れるように変更するとこの焦げ臭い臭いが止まりました。
暫くこのままで燃焼を続けました。
火葬開始から25分で再び第一次火葬炉に点火です。もうかなり火葬が進行していてシェルティーちゃんのお尻部分が残っている程度まで順調に進んでいます。
開始から30分して二次の燃焼を切り、自動燃焼に入りました。この自動燃焼は上限を1,130度に設定しています。そのため1,120度で燃焼が止まり温度が下がって行って1,108度で再び点火されるようになっています。
この自動燃焼に移行すると高燃焼のスイッチも入るので、凄い勢いで火が火葬炉の中を回っていきます。今までチロチロと火葬台の下に溜まっている脂分が優しく燃えていましたが、この高燃焼になりますと、一斉に火の手が高く舞い上がります。
これからが、火葬台の下に溜まっている脂分の燃焼が本格的に始まります。ここでこの脂分の燃焼を促進する方法を取りました。通常の火葬の仕方では時間ばかり掛かってしまいます。
その為に、脂分を凄い勢いで燃え尽く差なければなりません。シェルティーちゃんは40分位で綺麗にお骨になりました。しかしこれからが脂分との戦いです。
脂分が燃え尽きるまでこの火葬は終了しません。
脂分が残っている状態で火葬炉を開けると黒煙と臭いがいっぱい出てきます。その為にここは持久戦で綺麗に燃えきるまで待つしか方法がないのです。
脂分が燃え始めて5分経ち、10分経ち、15分経っても火葬炉の下からドンドン燃え上がっているのは止まりません。温度のドンドン上がっています。35分経って少し弱くなって40分で火葬炉の下に溜まった脂分の燃焼が終了して火葬が終了しました。
何と火葬時間は80分です。
火葬が終了してペット霊園に戻ってくるとお客様も首を長くして待っていたようで待合室になっている礼拝所から出てきて、火葬車の後ろの所から見下ろして火葬炉が開くのを見ています。
「小さくなってしまったね。」が開口一番でした。
火葬したお骨の胃の辺りと肝臓辺りが悪そうな感じの燃え痕でした。
お客様も、「血を吐いてしまったのでやはり胃が悪いのですね。」と納得していた様子です。
今回立会い火葬と粉骨パウダーでしたので、火葬したお骨を一旦仮の骨壷にご自分でお骨を拾って入れてから粉骨に掛かりました。
粉骨してお骨は、丁度3.3寸の骨壷にいっぱいでした。
綺麗な真っ白はお骨のお客様も大満足の様子です。
ワザワザ埼玉県日高市からいらっしゃって、自分の思っているような火葬が出来た様子です。
お帰りの際のお顔は満足そうなお顔でお帰りになりました。