「今の時期に寒いのに熱中症ですか?」と聞くと「はい。この子は熱いのがダメなんです。」
「日光に当ててしまって、蓋をしてしまって、電気で照らして熱を与えてしまいました。」と言って涙ぐみました。
今回のトカゲちゃんは、フトアゴヒゲトカゲと言って体長50cm、体重は660gでした。
黄色にオレンジが混じったような色のトカゲで頭が大きくてビックリしました。
トカゲの火葬は、今回のフトアゴヒゲトカゲちゃんが初めてです。
1月10日にはヤモリの火葬も初めてでしたが、両生類の火葬ってそんなにないですよね。
お葬式をして火葬炉に載せてお別れをする段取りでしたが、どうも尻尾の部分が長くてお骨自体が小さそうでしたのでマット火葬に切り替えました。
火葬時間は、30分間。
火葬したお骨は、頭のお骨は天辺の部分は殆どなくなっていて、顎の部分の歯が生えているのが分りました。
また、背骨から下は確りとつながっていて、何と尻尾は20センチも小さいお骨がそのまま繋がっているのです。壮観ですよね。一つも離れている骨が無くて火葬炉に入れたままの形で尻尾のお骨が繋がって残っています。
お客様も、この尻尾に「凄い、つがなっている。」とビックリした声を出して覗き込んでいます。「これって顎の骨だよね。歯が付いているから。」と隣から突っついてこちらに目を向けさせました。
丁度肝臓辺りにこげ茶色の塊があります。
「これが腫瘍です。」と言うと「説明通りの色ですね。」と又その場所を覗き込んでいます。
前足の指も確りとわかります。
小さなお骨が指先のお骨です。足の甲の部分のお骨も確りと4本揃っています。
「カプセルには、この足の指や尻尾のお骨を入れると良いですね。」と言いながらもうカプセルの中に入れ始めました。
頭のお骨が残っていると3寸の骨壷だったと思っていましたが、残念ながら頭のお骨は殆ど分解していますので2.5寸の骨壷に変更してお骨上げを開始いたしました。
小さいお骨の固まりみたいで、手で摘んで入れています。
大方のお骨を入れ終わってみると2.5寸の骨壷にも4割がたでした。
もっと頭のお骨が確りと残るかと思っていたのですが、水の中の生物は頭のお骨がみんな弱いのでしょうね。今までの水の中に生活しているペットチャンはみんな頭のお骨が綺麗に残りません。
でも、他の背骨から肋骨、足の骨や指、そしてそして尻尾のお骨は確りと残りました。
お客様は、頭は残念だったと言っていましたが、他のお骨がこんなに綺麗にいっぱい残ってくれて嬉しそうでした。
今回、トカゲの火葬を始めて致しましたが、お客様の喜んだお顔に接して胸をなでおろす事ができました。ご冥福をお祈りいたします。