朝一番の火葬がこのポーリッシュ・ローランド・シープドッグです。
お客様の電話での予約申込のときに始めて聞いた名前です。
どんな犬だろうかお客様がこのポーリッシュ・ローランド・シープドッグちゃんを連れてくるまで分らなかったです。
18キロから痩せてしまったと言っていましたが、ダンボールから出してみるとその体重以上に見える犬ちゃんでした。
やっぱり毛が長いと大きく見えますね。
狩猟犬だと言っていましたが、シープドックですから羊を守る犬なのでしょう。
ポーリッシュ・ローランド・シープドッグの原産国はポーランドだと言ってましたが、尻尾がなくて優しい感じの犬ちゃんです。
火葬炉に載せた感じでは、大型犬の大きさはないのですが、中型犬以上という感じの大きさの犬ちゃんでした。
火葬炉に寝かせた感じでは、体長はちょっと大き目という感じで大型犬までの長さはなかったのですが、足の太さやお顔の大きさは正に大型犬の大きさです。
ちょっと足を伸ばして寝かせてあったので、足を折り曲げてやろうとしたら曲がりません。やっぱり足腰が相当強い感じの犬なのですね。
お客様も、お別れにお花でいっぱいに飾ってからお写真をみんなで撮っていました。ポーリッシュ・ローランド・シープドッグを前にして皆様後ろに並んでの撮影です。
これが最後の形に残る写真なのですから、ちょっと緊張している感じでした。皆さんおそろいで写真を撮ってから火葬台を閉まって出棺させて戴きました。
今回の火葬はちょっとビビッていてs-6の火葬にしています。
火葬開始しても燃え上がることなく火葬が続いていきます。
労働犬なのでやはり筋肉が多くて脂肪が少ないのでしょうね。s-6の火葬にしたのをチョビッと後悔しています。
燃え始めても燃え上がる事はありません。
順調な火葬でした。チョッといい気になって高燃焼でドンドンいくと煙突からチョビッと炎が上がってきます。
今回の火葬は、火の状況を火葬室から見るのではなくて、車の外に椅子を置いて煙突から炎や煙が出てくるのを見ているだけの火葬でした。
調子に乗って火の勢いを強くするとチョビット煙が出てくる気配がするので、直ぐに元に戻して火葬してやると全く問題ありません。
途中から自動火葬に切り替えて私は外の椅子に座ってみているだけの火葬でした。唯、火葬時間終了予定の10分前から燃え残りをなくす為にブロアーで空気を送って火葬炉の中の燃え残りになりやすい部分に向けて強制空気を送ってやることにしました。
今までの太い直径7センチの管ではなくて、4センチの管にしたので空気も火葬炉の一番後ろまで届きます。その空気の届いた印にその部分の燃え残りが赤く輝き始めます。
暫くするとその輝きも消えて燃え尽きた事を教えてくれます。そして次の部分にこのブロアーの先を向けて燃え尽きさせていきました。
予定時間は60分の予定でしたが、少し燃え残りらしきものがありましたので5分間延長して65分でこのポーリッシュ・ローランド・シープドッグちゃんの火葬は終了いたしました。
霊園に帰ってお客様の前に、トレーに載せたポーリッシュ・ローランド・シープドッグちゃんの火葬したばかりでそのままの形のままお見せいたしましたが、肝臓か脾臓辺りに大きな腫瘍の痕が見られました。
お客様は、脾臓は完全摘出していると言っていましたので、その廻りに転移していたのかそれとも肝臓なのか良く分かりませんが、大きな腫瘍だったことは事実です。
今回立会火葬で粉骨パウダーもご希望でしたので、頭の大きい関係上6寸の骨壷でお骨上げを致しました。
頭のお骨が真っ白でとても綺麗で一つも割れていない姿に感動すら起きるような綺麗な頭のお骨でした。
粉骨してみて分るのですが、このポーリッシュ・ローランド・シープドッグって本当に強い犬なのですね。お骨が凄く固いのです。
小さくなったお骨でも最後の砂の様に綺麗に砕いて行く作業がとても難航いたしました。犬ちゃんの中でもとてもお骨が固い部類に入るお骨だったことがとても印象に残る粉骨パウダーの作業でした。
この綺麗な真っ白でとても細かいお骨を3.3寸の骨壷に入れてお渡しいたしました。お客様は足の指先のお骨や犬歯などを別にビニールに入れて持ち帰りましたが、この粉骨したお骨も少し散歩コースに撒いてやろうと思っているそうです。
帰りに深々と「本当に良くしていただきありがとうございました。」と丁寧に挨拶して帰りましたのがとても印象的でした。