朝一番の移動火葬の時の話でした。
火葬が終了して、スタッフがお骨上げをする段になって、傍で見ていたお客様に「お骨の説明をしましょうか?」と言うと恐る恐る傍にいらっしゃいました。
今回火葬した犬ちゃんは14歳6か月の5.8キロのマルチーズちゃんでした。「亡くなってから急にお腹が大きくなってしまって。」と言っていましたが、良く見るとお腹の廻りがプクッと膨らんでいます。
「亡くなってからお腹の大きくなるペットは良くいますよ。キット腹水が溜まってしまったのでしょうね。」と言ってお腹を触るとブヨブヨでした。
「お客様は何で死んだのか分かりません。」とも言っていました。
色々と病気を持っていた犬ちゃんらしくてしょっちゅう動物病院へ連れて行っていたみたいです。
でも、「今回点滴をしたと病院では言っていましたがホントにしたのかしら?」と疑っていました。
「火葬するとお薬の色が出ますので良く見てください。」と火葬後に現れるお薬の色も教えてやりました。
火葬したお骨は、お客様の前で胸の前の部分が茶黒い色の燃えのカスがあり、お客様に
「おっぱいの痕ですか?これって腫瘍の痕ですよ。」と言うと「そうなんです。乳癌を取ったんですが?」「未だあるんですね。」と心配そうに見ていました。
又、仙骨を見せてあげて「ここの上の部分が割れてますね。腰が悪くて歩けなかったでしょう。」と言うと「獣医さんからも歩いては駄目だと止められていました。」と頷きながらおっしゃりました。
喉仏や足の指先などを説明してあげると「以前お願いした所では、こんな説明をしてくれなかったです。」「火葬したお骨を渡されただけでした。」とさも前の人はサービスが悪いように言っていました。
移動火葬で一任火葬での依頼では、火葬したお骨をただ渡すだけで良いのですが、今回近くで見ていましたし、「火葬したお骨をご自分で見れば悪いところが分かりますよ。」と受付の時に言っておいたので説明もしてやりました。
お客様も一任火葬ですから、骨壺に入れたお骨だけをお返しすると言う事は分かっているみたいですが、確りとお骨の説明をしてくれたので感激しているのでしょう。
特に当園の火葬は、火葬してお骨を個別一任火葬でも確りと弄らないで火葬しているので火葬したお骨を見る方もそのままですから良くわかるのでしょう
「こんなに説明してもらったのは、初めてです。」と興奮して言っていましたがそうなのでしょうね。
お骨の説明に頷いて聞いていました。
時々、思い当たる節があると、「そうなんです。実は・・・・。」と話し始めます。個別一任火葬でしたのお骨の説明はザックリとでしたが、お客様はとても満足していた様子でした。
骨壷に入れたお骨をお渡しすると、「有難うございました。」「実は埋葬するためにペット霊園を探しているんです。」と言い出しました。
狭山からですと遠いですが、圏央道に載っていけば1時間でついてしまう距離になったのでもしかするとお客様が選択する対象にもなるのかもしれません。
余り、「どうですか。」等と宣伝すると如何かと思いまして「ご希望でしたら候補に挙げてください。」と言っておきましたが、どうなるのでしょうね。
家の駐車場で屋根がありましたが、車の向きを斜め方向にずらして火葬できましたが、お客様はご自分の目の届く範囲で火葬してくれたことが嬉しそうでした。
確りとお礼を言って帰ってきましたが、ザックリでしたが丁寧な説明にお客様が「こんなの初めて」と喜んでいるのを見てこちらも安堵の気持ちでいっぱいになりました。
大事な、大事なペットちゃんでしたみたいですから少しの説明でもこの子に関することなら大歓迎だったようです。
帰る時には、ずっと玄関の所で見送っていただきました。
お大事にしてください。