本日朝一番の火葬の猫ちゃんは19歳の真っ黒い猫ちゃんの移動火葬でした。
家の近くに借り上げ駐車場で時での事です。
お客様は、抱いてきた猫ちゃんを包んである大きなバスタオルを一緒に火葬したいと炉の中に入れました。
お客様に一緒に火葬する場合は、「猫ちゃんの上におかずに猫ちゃんの後ろに丸く丸めて畳んで置いてください。」とお願いして置いてもらいました。
バスタオルを猫ちゃんに掛けてやりたい気持ちは良く分りますが、猫ちゃんの上に掛けますとバスタオルの燃えカスが猫ちゃんのお骨の上に残ってしまいます。
安物のペラペラなタオルでしたらまだしも、良質な目の込んでいる高級バスタオルですと、完全に燃えカスが残ってしまいお骨の上に被さってしまいます。
そうなるとお客様がお骨上げをする段になってお骨か燃えカスか分らなくなってしまいます。お客様はとても寂しい目にあってしまうのです。
ですから、後ろに置いて貰っています。
お別れをして点火を見届けて一旦家に戻って貰いました。
点火した炉の中は。炎が真っ赤になって燃やしています。
今回の猫ちゃんも頭を後ろにズット反らして、炉の左側にあった頭が炉の右側になるまでそっくり返っています。
その時、今度は覗き窓の手前にあるバスタオルが少しずつ上がってきているのです。
幅が50cmで高さが15cmもあるバスタオルの塊が上に持ち上がっています。
「何で?」と思いながら、はたと考えますに「尻尾を持ち上げているのです。」
「凄いです。」バスタオルって結構重さがあるのですが、この猫ちゃんの尻尾でその思いバスタオルを持ち上げました。
バスタオルは尻尾の上に載って空中で燃えています。
こんなことってあるのですね。「ビックリ、ポンです。」
暫く空中で燃えていたバスタオルは尻尾が燃え落ちると共に下に下がって落ちてきました。
又、この猫ちゃんは、後ろにそっくり返った頭を10cm位上に持ち上げました。
そして元の位置に頭が戻って来ています。
この10cmの高さで炉口から噴射している火によってそこで燃えています。
暫くすると頭が下がってきて、下に落ちてしまいました。
頭は、コロコロと転がり受け皿に脇に縁で止まりました。
これは一大事です。
このままでは、頭の中は燃えません。
時間を掛けても頭の中の部分が黒い塊になって燃え残ってしまいます。
ここで、意を決して鉄棒でその頭の部分を元に位置に戻すべく、ソロソロと受け皿の端から頭の部分に触ってみました。
未だ、顎の部分もくっ付いている状態ですので上手く動かすことが出来そうです。
少しずつ、少しずつ頭の脇に鉄棒を添えてズラシテ元の位置の近くまで戻すことが出来ました。
「ああ良かった。」と思わず声が出てしまいました。
これで頭の中まで燃え尽くす事が出来ると思います。
このような二つも凄いことがあった猫ちゃんでしたが、火葬時間はチョッと長い45分間でした。
お骨自体は19歳ですから、完全な老衰で真っ白でとても綺麗なお骨でした。
大きい時は5キロから6キロもあったとお客様が言っていました通りとても大きいお骨で4寸の骨壷に殆ど一杯の感じでした。
骨壷も大きい骨壷になってしまいましたが、とても可愛がってい模様で確りと胸に抱いてお帰りになる姿は、思い通りの綺麗なお骨を拾うことが出来た満足感からかとても確りとした足取りでした。
丁寧に「有難うございました。」と頭を下げられてしまって、とても恐縮しています。でもお客様の素晴らしい笑顔に接することが出来て嬉しく思った次第です。