アトラスに積み込んだ大型火葬炉の使い具合が段々使いやすくなってきました。
三重県のオールペットで作ってもらった大型の火葬炉が、段々使い勝手が分ってきて使いやすくなりました。
今まで使っていた725型の車両が古くなってプロパンガスのタンクの耐用年数が来てしまいました。その為に新たな車に今まで使っていた725型を全面的な改修をして新たな車に積み替えるか、新しい火葬炉を作ってそれに載せるか迷った挙句、新たな火葬炉を作ってアトラスに乗せることに致しました。
車は、地元の浅見モータースで購入して、三重県の四日市にあるオールペットに送ってそこで新たな火葬炉を作ってこの車に載せることになりました。
こちらからの色々な注文が多くて大変オールペットの社長にはご迷惑を掛けました。特に色々な注文を出した為に、積載荷重をオーバーしてしまって作り直す事になってしまいました。
注文生産ですから、こちらの要望を良く聞いてくれます。
しかしながら、今回失敗したのは夜間の火葬で火柱が出ないようにして貰った事に依って火葬炉内の気圧をあまり下げない様にしてもらったことが原因で火葬炉から煙が漏れてしまう現象が起きました。
そこで、火柱の対策はオールペットの仕様だけにして貰って、送風の勢いを上げて炉内の気圧を下げて煙の漏れを防いでもらいました。
又、覗き窓の位置を中央にして貰うためにバーナーの位置を少し下にずらして貰って、炉内が良く見える様にして貰いました。
色々な修正をして貰って6月30日に納品された火葬炉は、今まで使っていた725型の火葬炉と炉内の広さが広いのとや、バーナーの強さが強いので始めのうちは面食らってしまって中々思うように使いこなせないでいました。
このアトラスに積み込んだ火葬炉は大型犬の火葬が中心ですが、小型の火葬炉で手におえそうもない太った犬猫もこの火葬炉で行いました。
本日で、約2ケ月ですが36件の火葬をさせて戴きました。
本日の28キロのゴールデンレトリバーの火葬でしたが、結構体つきも良くてチョッと手間取りそうな犬ちゃんです。
ペット霊園の本当に近くのお客様でしたが、車の後ろに寝かせて連れていらっしゃいました。
ペット霊園のトレーに載せて運ぶとかなりズッシリします。
お顔も可也大きく感じます。
火葬方法は、当然S火葬を行いました。
火葬を開始してからすぐに高燃焼でスタートです。
今までの725型の高燃焼と今使用している火葬炉のバーナーの大きさが違うので高燃焼をすると黒煙が上がりそうですが、今回はS火葬をしているので全く問題なく高燃焼でスタートする事が出来ました。
でも、15分も高燃焼をすると大型犬ですから燃え方も半端でなくなります。
煙突から「ポッ、ポッ。」と白煙が上がり始めたので高燃焼は終了して低燃焼に切り替えです。
今までなら、大型犬を始めから高燃焼で行うなんて考えられませんでした、でも今回は高燃焼でスタートしたのです。
「ポッ、ポッ」が合図で通常に火葬に戻しました。
このまま、低燃焼での自動火葬に入りました。
この大型火葬炉には、今までと違って低燃焼での自動火葬と高燃焼での自動火葬が付いています。燃え方が激しい大型犬では高燃焼で自動火葬をするのは火葬の後半戦になってからの話です。
低燃焼の自動火葬でも、炉内の空気の入れ方は高燃焼と同じだけの空気を送り込みます。
その為、燃焼はどんどん進んで行きますが、黒煙が出るのはこの空気の充足によって抑えているのです。
火葬開始してから30分位なると今度は、また煙突から「ポッ、ポッ。」と煙が出てきます。この煙は「このまま進むと過燃焼になりますよ。」と言う前触れです。
ここで、締め切ってあった覗き窓を開いてやりました。
これで暫くの間火葬炉の中の燃焼がより強くなっても過燃焼にならずに済みます。
今回は、この覗き窓を開いてやっただけで過燃焼対策が完了しました。この火葬炉にはもう一つ過燃焼対策の奥の手があります。
それは、送風機から行き成り一次燃焼室に空気の注入が出来るのです。
もう一段炉内の燃焼が過燃焼気味になる時にそれを使います。
今回は、覗き窓からの空気の注入で用が済みました。
火葬炉の設備の上では送風からの空気の注入が一次火葬炉に入れる事ができるもう一段上の方法も出来る様になっています。また二次火葬炉に送風からの注入も出来ます。
これも、黒煙対策の強い味方です。
また、火葬炉と関係なく覗き窓から掃除機からの送風を注入する事も出来ます。
これは、火葬が終了する時の10分前頃から使って燃えてない部分の燃焼を促進するために使うようにセットしています。
この様に色々と新兵器が装備されていますので、この火葬炉は慣れてくるととても使い勝手が良い火葬炉になってくるのです。
今回で、36回目ですからもうかなり慣れてきました。
お陰様で、覗き窓からの空気の注入だけで28キロのゴールデンレトリバーの火葬も峠を越すことが出来ました。
後は、高燃焼の自動運転で時間が来るのを待つだけです。
こうなると火葬している本人にもとても余裕が生まれてきます。今回は火葬炉の運転席から必死に炉内を見ながら火葬しているのではありません。
外に出て、煙突からの「ポッ、ポッ。」の合図だけを見ている火葬でとても気楽です。この暑い夏の中で日陰で涼を取りながらの火葬なのです。
40分経過した辺りから高燃焼の自動運転に移りました。
それから20分経った丁度火葬初めて一時間経った時から掃除機からのブロアーでピンスポットで火葬が終了していない所を狙って強い空気を吹きかけていきます。
炉内の真っ赤な中に、直接空気が当るとより赤い火がその燃え残っている部分からでてきます。
強い風がそこに当っているのでしょうか、真っ赤に燃えている部分がヒラヒラと小さくなっていきます。
直接その部分を狙うより、少し手前の方を狙ってバーナーからの炎がより以上その燃え残っている部分のあたるようにするとより効果があります。
この強制空気の注入によって火葬時間も70分で終了する事が出来ました。
ここで、この掃除機からのブロアーを使うに当たっては、火葬車に積んであるバッテリーから直接電気を取っているので今迄みたいに発電機の酷使をすることがありません。
お蔭で気楽にブロアーも使って炉内の燃焼がより速く進みます。
又、火葬が終了してペット霊園の戻る際もこのバッテリーから火葬炉の電源を取って帰る事が出来ますので、炉内の温度の低下を促進する事も出来ます。
この様に、この大型火葬炉も使い具合がドンドン進歩して使いこなせるようになりました。
この火葬炉を初めて使った時は、あまりに725型と違い過ぎてアタフタとしましたが、今現在はとても使いやすくなりました。
旧型の725型を全面改修して使うか、新たな火葬炉を作って使うかの判断で苦しんだこともうその様です。
マダマダ、これから大きな大型犬も依頼されると思いますが、少しずつ大きなものにも挑戦して慣れていく必要があると思っています。