ミニチュアダックス9.5キロの火葬は、この火葬炉では私の限界でしょうね。
当園では、小型のペットについては、S型火葬炉、8キロを超えるペットは、大型火葬炉にしています。
以前は、私も大型の火葬炉を使って火葬をすることが普通の状況でした。
でも、高齢な私は、大型火葬車での火葬は今は、やってはいけない事になっています。
それは、21年の4月に屋根から落ちてしまって、頭に大けがをした事が原因です。
私が、気が付いたのは、病院のベットの中でした。
目を開けると、何人も白衣をした人が私を見ていました。
如何したんですか?
と、話しかけると「気が付いたのですね。」と言われました。
「実は、今日が山場だったのですよ。」とも言われました。
記憶があまりないのですが、屋根の修理をしていて、その屋根から落ちてしまって救急車で運ばれて、緊急入院をしていたのです。
幸い、ヘルメットを被っていたので、頭を打った所が裂けていて5cm位縫ったと言っていました。ヘルメットを被っていなければ、即死だったですよ。」
と言われて、ビックリです。
どの様に落ちたのか、記憶がありません。
ヘルメットを後になってみると、後頭部が割れていました。
凄い衝撃だったのでしょうね。
そんな、事があって私には、大型の火葬車での火葬は禁止になりました。
又、高い所に登ることも禁止です。
その為、現在使用している小型の火葬車での火葬だけに、限定されてしまいました。
そんな中、ミニチュアダックスの当日の予約が入りました。
「小型の火葬車で大丈夫? 7キロから8キロですよ。」と聞かれ「大丈夫。大丈夫。」と答えてお客様の注文に応じることになった次第です。
チョット大きすぎれば、人気のない所に行って火葬すれば大丈夫。と思って了解を致しました。
お客様が、いらっしゃいまして、礼拝所に安置しているミニチュアダックスちゃんを目視で確認をしたのですが、見た感じではこれなら、霊園での火葬でも大丈夫と思いました。
お葬式を終了して、いざ火葬炉に載せた段階で、さっき見た感じを違ってチョット大きすぎるかも?と一瞬思いました。
でも、当園で開発したS火葬の技術を使えば大丈夫でしょう。
と思って火葬を開始いたしました。
火葬開始から、最大限の神経を使って、40分間は脂出しに専念して、80分間で終了する火葬プランを作りました。
火葬を開始して8分ぐらいしてから、覗き窓を開いて確認をこれから1分ごとにやっていく事にしました。
最初の9分めに達した時点で、一次火葬炉のバーナーの火を止めて、燃え具合を確認です。その時点では、S火葬の強さが発揮してバーナーの火を止めると、炉の中の遺体は燃焼が止まりました。
点火してから今度は、2分後に同じように火を止めて、炉の中の確認です。
火葬を開始して11分後の今回も、炉の中の遺体は、燃焼が止まっています。
今度は、それから3分後に今までと同じに行こないました。
今回も大丈夫です。
その後、3分間隔で炉の火葬状態を確認です。
開始して、20分にしてバーナーの火を切っても炉の中の燃えが続いています。
これから、一次火葬炉のバーナーの火を止めて、風だけ送る脂出しの作業になります。
この作業中が一番肝心なところです。
2次火葬をの温度が1度上がる間隔を数えながらの作業です。
1度上がる間隔が、同じなのか増えているのか、減っているのかを数を数えながらその間隔を調べていきます。
1度上がってから、数を1から、2、3,4と数えます。
この間隔が、1,2,3,4、 1,2,3,4 と数えてこれが1〜4だったのが、燃焼が強まって、1,2,3で1度、1,2,3で1度と狭くなり、1,2となった時点で、M火葬に切替です。
このM火葬はとても、勇気がいります。
急に炉を冷却するので、炉の中がパニック状態になります。
温度の上がる間隔は、M火葬に切替えると長くなり、また、間隔が狭くなってくると、今度は急に冷やさないで、緩やかに冷やすことにしました。
炉の中の構造で、ゆっくりを冷やす方法もこの火葬炉ではできます。
1,2だったのが、1,2,3,4,5,6,7,8まで間隔が広がりました。
この、作業を10分間行いました。
開始してから、30分経過した段階でも脂出しの火葬が続いていますが。この間隔も同じような状態が続くようになりました。
それから、10分間、3分於きに炉の中を確認しながら脂出しの状況の確認です。
40分経ちました。
40分経過で、一次バーナーを点火して、火葬の開始です。
これから、本格的に火葬をしていきます。
50分経過した時点で、一次バーナーの空気の量も増やして、炉の中の燃焼を加速してきます。
この時点で、あと10分の「60分ぐらいで火葬は終了しそうだ」と感覚がありました。
暫くして、2次バーナーの温度が、1,028度で止まりました。
この2次バーナーの温度が下がり始めてから、2次の燃焼をストップしました。
もう、煙や臭いの心配はありません。
60分になる段階で、炉の中を綿密に確認してみると、ほゞ終了の感じですが、お骨の中にまだ燃えの残りの状態を発見しました。
当初は、80分の作業の予定で始めたのですが、ペットちゃんの脂の状態が良かったので、65分で終了です。
メタボで、脂の多いミニチュアダックスちゃんでしたが、脂出しが上手く行ったので火葬炉の下に溜まってしまう脂が上手く燃え尽きて65分間の火葬で終了し致しました。
この9.5キロのミニチュアダックスちゃんが、この火葬炉の限界かもしれません。
10キロでも大丈夫かもしれませんが、この9.5キロをこの火葬炉の最大可能キロ数としてこれからやっていきたいと思っています。
無理をせず、安全で綺麗な火葬が出来るようにこれから、やって行きたいと思っています。
私が、火葬を始めたのが、2005年7月17日、三毛猫ちゃんでした。
それから、18年を超えました。
その間の経験と研鑽の結果が、この厳しい火葬に生かされた技術だと思います。
この体重を、私の火葬する限界にして、それより大きいのは、大型火葬炉を運転できる息子の日程で予約を受けていきたいと思います。