以前八王子市内にある〇〇ペット霊園に勤めてペット火葬をしていた方がお客様でした。
「チョッとお伺いしますが、ゴールデンレトリバー犬で39〜40キロなんですが個別一任火葬は45000円ですか?」、「明日お願いするとお渡しはいつになりますか?」とお問合せのお電話を受けました。
「個別一任火葬は40キロ未満は45000円です。」
「40キロ近くありますと脂分が相当あると思いますので火葬時間が大幅に掛かります。その為後の予約の無い夕方から夜の火葬いたしますので、お渡しは、翌日お渡しになります。」とお答えさせていただきました。
一旦電話を切って相談してからもう一度お電話を受けました。
「ヤッパリ、お願いします。」「13時に連れて行けますが、その時間で大丈夫ですか?」とお客様のご希望の時間が空いていたのでその時間に連れて来てくれる事になしました。
当日、車に載せるのに時間が掛かってしまって20分ほど遅れてしまいましたが、良く聞くとゴールデンレトリバーちゃんの下に敷く為に作った戸板が壊れてしまって車に載せるために時間が掛かってしまったそうです。
見た感じは凄く太っていて50キロにも見える大きさでした。
お客様が礼拝所まで運んでくれましたが、相当重そうでした。お客様は、「1年前に37キロだからあっても39キロです。」と言っていました。
礼拝所でお線香を上げてお別れをしてから、火葬車に載せてペット霊園のお花で飾ってもう一度お別れをしてお帰りになりました。
火葬は、どんな状況でも迷惑の掛からない場所で16時40分から行いました。
この場所は、いつも大物の火葬をしている場所で全く迷惑の掛からない場所です。特に大型犬の大きいのはどんなことが起こるかわかりません。その為ここでするようにしています。
このペット火葬は、S24の最高難度のペット火葬です。
お客様も以前〇〇ペット霊園に勤めていたのですから、本来はそのペット霊園にゴールデンレトリバーちゃんを連れて行ってお願いするのが一番安心できるはずですが、そのペット霊園で断られたのかも知れません。
予約を受ける時の電話でも、「引き受けていただいて良かったです。」と言っていましたのでこのお腹のいっぱい出ている極太りのペットちゃんを火葬するのは最難関のペット火葬なのです。
火葬は開始いたしましたが、始めの1時間は300度から400度で脂の搾り出しに時間をかけました。火葬炉の点検口から中を見ていると大きなお腹がドンドン小さくなっていくのが分ります。
ここで気をつけなくてはならないのが、温度が上がってしまって火力が一斉に上がることです。その為、M火葬も取入れ温度上昇を避ける手立てをする事にいたしました。
幸いこのS火葬が効いて、その上にM火葬も導入したのですからこの程度の大きさではこれで大丈夫でした。1時間脂出しをしてから本格的な燃焼に掛かりました。
火葬時間は、2時間25分で終了しましたが、脂が多かった犬ちゃんの割りに火葬が終わってから火葬炉に溜まった脂分の燃焼が15分位で済む事ができました。
これは、今までの火葬で脂分の燃焼時間が掛かり過ぎるために色々と対策をとり、現在行っている火葬台と受け皿の間をあける火葬台の置き方が上手く機能しているのと、その置き方にも特別な方策を採っているのが起因していることだと思っています。
翌日になってお客様が受け取りにいらっしゃいました。
6寸の骨壷の中を見て、確りと頭のお骨や顎の骨などが分るように入っていましたが、「大きく見えましたが、あれって皆脂だったの。お骨は割りと少ないですね。 」と言っていました。
ご主人も前〇〇ペット霊園で火葬をしていたので、分ったでしょうが、頭のお骨がスカスカの状況を見ると糖尿病のお骨の感じでした。
ご主人も骨壷の中を見て、綺麗に思った以上の火葬したお骨の状況だったのでしょう、気分が良さそうに色々とお話をしてくれました。
「未だ、2匹いるのでその時もよろしくお願いします。」と言いながら「共同墓地も見学させてください。」と言って見学していました。
家には骨壷がこの他に4つあるといっていました。
もしかすると埋葬も考えているのかも知れません。お客様も骨壷を受け取ってご機嫌よくお帰りになりました。
ゴールデンレトリバーちゃんのご冥福をお祈りいたします。