国立からいらっしゃったミニチュアダックスのお客様でした。
朝8時丁度にお電話を戴き、「今日の午前中に火葬したい。」と言っていました。丁度11時からの時間が空いていましたので、11時の予約を戴きました。
予約時に「チョッと早めに行った方が良いですか?」とお客様が言っていましたが、「11時で大丈夫です。」と答えさせていただきました。
そのせいか、お客様のご到着は丁度11時ピッタリです。非常に正確です。
何処かで時間調整でもしていたようです。
チョッと申し訳ない気がしました。
又、霊園の場所がもう少し坂の上の方をナビが案内するのでそこまで行って戻ってきてくれました。
礼拝所でのお葬式も、自分達でお線香を上げて終了して火葬炉に載せて霊園のお花と持参したお花を入れたお別れ式を行い、点火を見とどけました。
ミニチュアダックスとしては、小柄な3.6キロの10歳の子でしたので、火葬も通常より早めに上がりました。でも燃え尽きていない場所があると行けないので通常の火葬時間よりチョッと短めである30分間迄待って終了いたしました。
火葬中もお客様は、火葬炉の中を除きこんでいらっしゃりましたが、非常に順調な燃え具合でした。
この子の火葬では、頭のお骨が火葬を開始して5分ぐらいで後ろにズットそっくり返って行ってしまいましたが、暫くして頭は元に戻ってきました。
通常、戻ってこない子がありますので、ここの作業はペットちゃんを見ながらそのままにしておいて大丈夫なのか、それともこの時点で綺麗に火葬が出来るように姿勢を整えてやる方が良いのかの判断が必要です。
この子の3.6キロの体重を体つきから、何も手を加えない通常の火葬方法を選択いたしましたが、もう少し肥っていて5キロ位からS火葬とかの他の火葬方法と選択する必要があります。
火葬して頭が元のように戻ってきてから、火葬具合が寄り厳しくなり煙突から煤煙が出そうな雰囲気になりましたので、1次火葬炉の燃焼をストップしてあぶらだし作業に掛かりました。
でも、3.6キロですから2分ぐらいで脂だし作業も終了してまた、通常の燃焼に戻って火葬を続行しました。
それ以来、火葬が全く問題なく終了しましたが、25分で終わる事も出来ましたが、後5分の精神で5分間余計に火葬して終了いたしました。
火葬中もチョッと気になっていたのですが、顎のお骨の辺りがチョッとおかしいと思っていましたが、火葬終了して受け皿を引き出してみると案の定、頭のお鼻の部分から前がグズグズでした。
お客様も死亡原因に「リンパ癌と歯周病」と書いてあったのですが、リンパ癌は血液の病気ですから火葬後の外見からは分りませんが、歯周病は確りと分ります。
頭蓋骨のお鼻の部分から前がグズグズだったのは、歯周病のせいです。
このお鼻の部分から前がグズグズになってしまうのが、歯周病の初期症状です。
歯周病が進んでくるとお鼻の部分だけでなく、下顎のお骨がグズグズになって次が上顎から頭蓋骨に進んでまいります。
最終的には、頭のお骨が1センチぐらいに厚みで火葬炉の網の上に積もっている感じになってしまい、頭のお骨として持ち上げることが全く出来なくなってしまいます。
ここまで症状が悪化したお骨は、過去4回だけですがそうなると悲惨な状態です。
今回は、お鼻から前が崩れてしまった程度ですからまだお客様も許せるかも知れませんが、この様な事は良くある症状です。
お骨上げ前に、ミニチュアダックスちゃんのお骨を良く見て理解したのでしょうか、お骨上げが終了してお帰りになる時はその事実に納得したのでしょう。
爽やかなお顔でお帰りになりました。
それにしても歯周病は恐ろしい病気です。