今回は、犬のお骨上げについて書いてみます。
ペットの火葬をしてお持ち帰りになる時に一番大事なのがお骨上げの仕方です。このお骨上げが上手くいかないと幾ら綺麗に火葬が出来てもお客様は満足してお帰りになりません。
また、お帰りの車の中で気まずい雰囲気になる場合も多々あります。
その様なことが起きないように一番気をつけて遣らなければならないお葬式の中の作業だからです。
当園の火葬したお骨は、皆さんからお褒めの言葉を良く貰うように綺麗に火葬してあります。そして立会火葬の場合は、火葬したままの姿で一つも弄らずにお客様の前にお出ししています。
お客様が自分の飼っていた犬ちゃんの病気や体の事を最後ですが一番知る機会でもあります。火葬したお骨は、隠さずにお客様に犬ちゃんの病状をハッキリと分らせてくれます。
今回のお客様は、ミニチュアダックスの4キロのお客様でした。立会火葬で皆様大勢で起こしになりました。
お葬式を終了して火葬炉でお花と食べ物を一緒に入れてお別れして点火を見届けました。火葬時間は45分間。
火葬したお骨は、真っ白でしたがお客様の仰ると通りの腎臓の所が黒くなっていて、ココが悪い所だとすぐに分るお骨でした。
唯、頭のお骨が非常に脆くなっていて持った瞬間に割れて崩れてしまいそうな感じの頭のおほねでした。
お骨上げになりますと、始めに「橋渡しの儀式」をしてもらってからお骨上げが始まります。足のお骨からお二人で箸と箸で一本のお骨を持ってもらって骨壷に入れていただきます。
その後は、皆様ご自由に骨壷の中にお骨を拾って入れてもらいましたが、小学校の小さいボクちゃんが一生懸命収骨していました。
網の上のお骨が殆ど入ると、頭のお骨を入れる番です。
この作業がお骨上げの際のメーンイベントです。この作業が上手くいくか如何かでお客様の満足度が全く変わることになります。
綺麗に頭が入ってお骨上げが終了すると、お客様たちも笑顔がもれてきますが、ここで上手く入らないと今までの努力が水の泡になってしまいます。
そのため、綺麗に頭のお骨をそのままの形で骨壷に入れるのには、手で持って入れるのが一番です。それも優しくもてる奥様が一番上手く入れることが出来ます。
ご主人が遣る場合もありますが、時々失敗してしまいます。
それは、フッと箸で持ち上げてしまって入れる時にグズグズにしてしまう場合が多々あります。
素手で慎重に持ち上げて骨壷に入れることが出来ても、その後押し付ける傾向があるのでしょうか、置く段になって割ってしまう場合も多く見受けられます。
どうも、「ご主人の力が強い性なのでしょうか?」
分りませんが往々にして良くある事なのです。
今回も、こちらから奥様にお願いして犬ちゃんの凄く脆そうな頭のお骨を入れてもらいました。
上手く入りました。皆様ニッコリしています。
やはり綺麗に入れることが出来ると嬉しいですよね。
でも悲劇がココで起こりました。
チョッと安心したのでしょう。
網の下に落ちていた小骨を「お骨取り」ですくって入れる作業の時にその角を頭のお骨にぶつけて頭の天辺のお骨を砕いてしまいました。
「気おつけてよ。」と奥様が激怒しましたが、もう時遅しです。
チョッと気まずい雰囲気になりましたが、顎のお骨と仙骨、第1頚骨等を入れてお骨上げが終了しました。
最後の最後まで気を抜けないのが、このお骨上げです。
火葬がうまく出来ていないで、お骨がグズグズに割れてしまっているお骨上げではこのような事がおきませんが、綺麗に火葬できたお骨では、ヤッパリ綺麗に全部入れたいのが人情でしょう。
奥様もすぐに収まりましたが、チョッと残念そうでした。
真っ白に火葬できたお骨を胸に抱えてお帰りになりました。
犬ちゃんの頭のお骨は大きいので、脆い場合のお骨の時は特に慎重に行うことが必要です。チョッとご主人の「お骨とり」が頭のお骨にぶつからない様に手を差し伸べてやれば良かったと反省しています。
皆様の大事なペットのお骨を綺麗なままの姿でこれからもお骨上げが上手くいきますように努力してまいる所存です。