町田市の大蔵に立会火葬を致しました。
道に迷ってしまったのか、ナビが上手くそのお宅を探せなくて電話して誘導してもらいました。お客様は、一旦ナビの指している下の道でナビを見て探している所の20メートル位前の一段上の家でした。
そのお宅に伺うと、猫ちゃんは居間の所に段ボールに入れて寝かせてありました。お客様は悲しくて触る事も出来ない状態です。
お経を上げてお葬式をしている時もうつむいて寂しさを耐えている様子です。
辛いのですね。
その辛い気持ちがお経を読んでいる私にも伝わってきます。
火葬炉までも連れて行く事が出来ませんでした。
通常は、お客様の御自身の手で連れて行くのですが、今回は私が代りに段ボールを抱えて家の下に止まっている火葬車まで連れて行きました。
火葬炉に載せてお別れです。
火葬炉に載せた猫ちゃんを触るのもオッカナびっくりです。でも気持ちは傍にいる私達にも大事な猫ちゃんとのお別れを確りしていることが分かります。
点火してからもお客様は、その火葬車の廻りから離れる様子はありません。
悲しくて触れない状態ですが確りとお見送りをしたいのです。
そこで、お客様と色んなお話をさせて戴きました。
始めは、火葬時間や火葬した後のお骨上げの仕方から骨壺を家に置いておくつもりかそれとも自宅に埋葬をしたいのかの話から始めました。
お客様は、ご自宅にお墓を作って埋葬を考えているみたいです。
そこで、ペット霊園のホームページをスマホから見ていただいて通常に行う簡単な自宅での埋葬に仕方から、本格的に作る墓地の作り方までお話しいたしました。
この辺からお客様のお気持ちが変わってきたような気がします。
私が話す内容にドンドン質問してくるようになりました。
「どんな火葬が多いのですか?」「やっぱり犬が多いですか?」「珍しい動物は?」と云う話になって来て本当に小さなペットの話になりました。
「インコやハムスターなどの小さなペットの火葬は本当に難しい。」と云う話も致しました。そしてこの極小のペットの火葬に他で出来ないので遠い所からは4時間半も掛かってお客様がいらっしゃることになるとビックリしたお顔になりました。
又お花の話になると「ご自分で種蒔きからしてお花を作っているのですか。」と興味を示していらっしゃいました。女性ですからお花は大好きですよね。
私達もお花が大好きで、ペット霊園はお花がいっぱいある事や今はビニールハウスの中で夏のお花の冬越しをしてるお話で目が輝いて来ています。
粉骨してご自宅に埋葬する場合は、マリーゴールドを植えるととても綺麗にお花が咲く話ではとても興味を持ち始めたらしくて「後からでも粉骨ができますか?」と質問もされました。
火葬が始まって終わるまでずっと火葬炉の所での立ち話です。
火葬が終了してお骨上げの段になっても色々と質問が止まりません。
喉仏や、足の指先のお骨。
そして、お骨の病気の説明をしてあげました。
肝臓の所が茶黒い色が網に付いて、大腸の所に石化した塊がありました。
お客様は「口が臭くて歯周病がある。」と言っていたがお鼻の所は確りとしていて歯周病ではありませんでした。歯は全くなくなっていましたが顎のお骨は確りしていたので「歯槽膿漏かも?」と言うと頷いていらっしゃいました。
お骨の説明や病気の説明。お骨を確りと説明してからお骨上げを致しました。猫ちゃんは雑種の5.8キロもある猫ちゃんでしたので3,3寸の骨壷に一杯でしたが綺麗に骨壷に入れる事が出来ました。
お客様もこのお骨上げが終了する時には、全く元気な状態になり、猫ちゃんとの悲しいお別れの時と打って変わった感じです。
お骨を覆い袋に入れてお渡しすると、「色々なお話をしていただき楽しい火葬が出来ました。」と言ってくれました。
寂しい気持ちで火葬をしてご自分の心の整理も済んだことなのでしょうか?それとも諦めがついたのでしょうか?
私達にはお客様の心の中は分かりませんが、ご自分たちで確りとお見送りが出来てお骨も確りと拾って骨壺に入れられた満足感があったのでしょう。私達が片づけを終えて帰る時には確りと見送ってれました。
私達の心に残ったのは、「色々なお話をしていただき楽しい火葬が出来ました。」という言葉です。
あまり聞きなれませんですが、お客様も満足したからこそ出た言葉だと思います。