今年最終日の今日の始めの火葬は、ミニチュアダックスちゃんのお持帰り火葬でした。
リピータの方で、本来は移動火葬がご希望でしたが、年末の最終日はとても込み合います。お客様方は火葬してから新年を迎えたいので如何しても予約が殺到します。
昨晩遅くに予約をいただいたリピータのお客様でしたが、八王子のペット霊園に連れてきてもらうことで納得してもらいました。
連れて来たミニチュアダックスちゃんは、お腹が張っていてお客様は「亡くなってからお腹が膨らんできました。」と言っていました。
「じゃあ、腹水ですかね?」と軽く返事をして、火葬を開始いたしました。
7キロのミニチュアダックスちゃんは、やっぱり燃え上がる種類のペットですから、火葬の準備もS火葬でのぞみました。
S火葬ですから、このミニチュアダックスちゃんがお腹に溜まったのが脂肪分だとして、途中で燃え上がっても大丈夫です。
そうなった場合は、すぐに対応がとれます。
その様な準備をしての火葬ですから、高燃焼でドンドン燃焼させて行きます。
火葬を開始してから、5分位してこのミニチュアダックスちゃんの状態が変わりました。お腹が少しずつ大きく膨らんでいきます。
あれっという間にプーと膨らんだかと思ったら行き成り「バーン。」と音がして破裂してしまいました。このミニチュアダックスちゃんは腹水が溜まっていたのではなくて、ガスが溜まっていたのです。
破裂した後は、お腹も途端にへっこんでお腹の中が見えるくらいの穴も開いていました。「いやあ、ビックリしました。
お腹がへっこむと途端に体って丸まるんですね。
この丸まっていくのは通常犬の火葬をしていると普通にある事です。
犬ちゃんを当園では、火葬炉の火口に向かって右側のホッペが下に着くように寝かせて火葬します。点火すると犬ちゃんの首の下に火があたります。
その為に最初は、首をずっと後ろにそらして来ます。
火口から噴射してくる炎が直接お顔に当たらないように、火口から頭を左にずらしているのですが、首をグッと後ろに反らしてくると火口から噴射している炎が、直接お顔や頭に当たってしまいます。
ここで、少し我慢していると反りかえっている体が元の通りに戻ってきてから丸まって来るのです。今回のお腹が破裂したのを境にそのようになりました。
この時点で火口からの炎と体の位置を確りと炎が満遍なく通るようにしてやるのが綺麗に火葬が出来るかどうかの分かれ目になります。
今回もお腹の破裂と同時に体が丸まってきて、頭も火口からでる炎が直接当たらない位の位置になってくれたので弄らずにすみました。
こうして、破裂を境にミニチュアダックスちゃんも炉の中での動きも止まりました。
ここで、気をつけなければならないのが、頭のお骨ってこの後少しずつ炎の方に動いてくるのです。
どの位動くかは、火葬している人の判断で見極める必要があります。この頭のお骨が中央に少しずつ寄っていく段階では、もう頭のお骨は弄れないのです。
火葬したお骨を、網のままお客様の前に出すことを基本にしていますので、いくら個別一任火葬のお持帰り火葬でも、お預火葬でもこの時点では決して頭の所に触れることは致しません。
そうすることによって、火葬炉に入れたままの形でお客様にお見せすることが出来るのです。
今回も、お腹の破裂してからは全く弄らずに火葬が終了することが出来ました。