お客様が火葬炉にオーストラリアンシェパードを載せてからおっしゃりました。
事務処理も終わり、居間に上がってお経を上げてお葬式をした後に寝かせてあるオーストラリアンシェパードが足を延ばしたままの姿でした。
火葬炉に載せて足を曲げる事が必要かもしれません。
「その時は、まげて良いですか。」と聞くと「私たちに見えないようにしてください。」との返事でした。
足を曲げる作業ってチョット力が要ります。
また、その作業をしている所を見るのは、飼い主として大切に育てて一緒に暮らしていた人達にとっては、とても見るに忍びない事だとも思います。
でも、火葬炉に載せて足が突っ張っていると炉の中に入らない場合がありますので、その時は如何してもしなければならない作業です。
お客様の家の前に止めてある車の火葬炉までお客様が運びました。
炉に載せるのは、私たちも手伝って載せました。
本日は、大型の火葬車でお客様のもとに来ていますので、大きく思えたオーストラリアンシェパードも炉台の上に綺麗に収まってしまいました。
大型犬と違って14キロの中型犬ですからサイズもやはり小さいのです。
伸びた足も曲げなくて大丈夫です。
そこで、お客様が「良かった。曲げなくて。」とおっしゃったのです。
大事な、大事な犬ちゃんを最後のお見送りの時に力ずくの作業ってしたくないですから。
気持ちもすっきりしたのでしょうか。
お別れのお花や、食べ物、そしてお手紙を入れてお別れのお線香をそっと添えてお別れです。
お経のご希望の方には、最後のお別れをして火葬炉に納棺する前に、「火に当たって熱ないように。」と言ってお不動様の真言を唱えてやることにしています。
そして、火葬炉の蓋を閉めて引き取ってきました。
お客様の気持ちを考えて本当にこの脇の広い車で来て、「お客様の大切な犬ちゃんの足を曲げる作業をしなくて良かった。」と思いました。