青梅市梅郷の甲斐犬の火葬でお客様に言われました。
朝一番の移動火葬でお客様のお宅を訪問したときに言われました。10時の予約でしたが、訪問した時間は9時30分です。「もう来ちゃったんですか。」は「もう火葬する時間になってしまったんですね。」と言う意味だったんですね。
事務処理が終わり、居間でお葬式を行いましたが、合掌しながら涙を流していました。本当に寂しそうな顔をして寝かせてある甲斐犬ちゃんを一生懸命拝んでいます。
火葬炉に載せるときも、抱っこして火葬車まで連れてきましたが、自分で載せることが出来なくてスタッフが「宜しいですか?」と聞いてから甲斐犬ちゃんを火葬炉に載せさせていただきました。
お花や食べ物を置いてから「昨日までは一緒にお布団で寝ていたんですよ。」と目を細めて撫ぜながら言っていました。
お線香を上げてから甲斐犬ちゃんが火にあたって熱くならないように、お不動様の真言を上げさせていただき、火葬炉でのお別れも終了しました。
いつもだったら、その儘火葬炉の点火を見届けて貰うんですが、お不動様の真言が終了すると家の中に入ってしまいました。キッと居ても立っても居られない状態だったんでしょうね。
点火するときが一番辛い時です。
ですから、見えない所でズット耐えていたのでしょう。暫くするとお茶とお菓子を持って外に出て来てくれましたが、火葬炉の方は見向きも致しません。
大事な、大事な甲斐犬ちゃんを失ってしまって本当に辛い気持ちがこちらのスタッフまで伝わってきます。近所の人が通りかかるとわざわざそこに行って、「家の甲斐犬ちゃんが亡くなってしまったの。」と。
「昨日まで鳴き声が聞こえていたので大丈夫だと思っていたけど。」「そうなの。突然。」とお話ししています。一人でズット悲しみに耐えているより少しでもお話しして発散したいのでしょう。
スタッフと甲斐犬ちゃんの話をすると悲しみも抑えられるようでしたので、お話をズットさせていただきました。「この子は、お宅で火葬した犬ちゃんの子供です。」「2月の大雪の日に火葬した人も私のお友達です。」
「皆さんから紹介されてお宅に火葬してもらう事にしました。」という話から、火葬後のお骨は如何すれば良いか。色々とお話をするうちに火葬も終了しました。
火葬時間は50分間。
火葬したお骨は、お腹や内臓が悪かったのがすぐに分かります。特に肝臓にお薬の色がいっぱいついていたのとおっぱいの所に良く乳がんにあるような青い色の燃えカスがありました。
お客様に、「医者ではないので確かなことは言えませんが。」と断ってから肝臓とおっぱいの事を説明いたしました。お客様も「そうかもしれません。」と。
キッと何か心当たりがあったのでしょう。
そうして説明するときには、近所の女性やご主人、娘さん、お孫さんが駆け付けてくれて総勢5名になっていました。
皆さんで、橋渡しの儀からお骨上げまで丁寧にしていただきました。
小さな指先の爪の形をしているお骨と尻尾の先っぽの細長いお骨は、骨壷に入れないでご自分でしまっておくようです。「これは、私が持っています。」と仕舞い込んでいました。
7キロの甲斐犬ちゃんで、大きい時も10キロ位だったそうで比較的小さな雌犬の甲斐犬ちゃんでしたが、お骨自体は確りしていて真っ白な色をした頭のお骨も綺麗に5寸の骨壺に入れることができました。
最初到着した時は、悲しさで泣きぬれていましたが、火葬してお骨上げをして骨壺に入れてからは元気になったようで笑顔でお見送りもしてくれました。
私たちも確りと火葬が出来、お客様の満足したお顔でお見送りをしていただき恐縮しています。お客様のご自宅を後に次の火葬場所に向かいました。