「ペットの埋葬をしたいので今日出来ますか。」
良く聞くと、家の売却を考えていて買い手が付きそうだそうです。その為、以前自宅に埋葬した猫ちゃんの事を思い出して掘り出したのだそうですが、埋葬するところがありません。
その為、電話をしてきたそうです。
電車とバスで稲城市からいらっしゃるそうでチョッと道が不案内です。南大沢駅からバスに乗る時も電話をいただき「どのバスに乗ったらよいか。」聞いていらっしゃいました。
ペット霊園に到着したのは、丁度時間通りです。
リックサックを背負っていらしゃいました。そのリックの中に「ビニール袋に入れて持って来ました。」と言って一塊を出してくれました。
中を見てみると、「今掘り出しました。」と言う様にお骨が土に混ざって入っています。
お客様は、共同墓地へ埋葬か自然埋葬するか迷っていましたが、自然埋葬を選んでくれて良かったです
ペット霊園に着いてすぐに墓地の所に行って、墓地の選定をして貰ったのですが、その時はこの様なお骨の状態だとは思っていませんでした。
礼拝所でお経を読んでご供養をしてから粉骨作業に掛かりましたが、お骨を土の中から拾い出す作業が大変でした。大きなお骨だけ拾い出して粉骨を致しました。
後のお骨は、お客様が帰った後でスタッフで拾って埋葬することに致しました。
粉骨したお骨は土もついている状態で粉骨したので、茶色くなったパウダーでした。0.7ミリの網を通していますので、パウダー自体は通常のパウダーと変わりませんが色だけはいつもと違います。
2寸の骨壷に6分目程のパウダー状のお骨を持って自然埋葬墓地へ行って、丁寧にお骨を蒔いてその上に土を載せてから廻りにお水おまいて山になった土の一番上にお線香を上げて自然埋葬は終了しました。
お客様は、「これでホッとしました。」「売ってしまった家の庭に埋葬しっぱなしにしてあるのが気掛かりで心にトゲが刺さっていたみたいですが、良かったです。」とニッコリ笑顔で言っていらっしゃいました。
お客様は暫くお話をしていてからお帰りになりましたが、足取りも軽そうでした。
お客様が、帰った後が私達はこの後始末をする作業が始まります。
土を取り除くのに、まず網で細かい土を振るってから残った土とお骨を分けるために水で土を溶かせてなくします。土を溶かしてみると小さな小石とお骨になりました。
お骨を確り拾い上げてパウダーにしてから、先ほどの振るった土と一緒に混ぜて自然埋葬墓地へ埋葬を致しました。
これで、全て完了です。
土が混ざっているお骨は、お骨を全部拾い出すのが大変です。でもお客様の気持ちを考えるとこうして処置する裏方の仕事が一番大事だと思っています。
今回、ニッコリ笑顔で「これでホッとしました。」と言ってくれたお客様のお顔を思い出して私達の仕事がお役にたったと充実感に溢れることが出来ました。