近くのお客様でしたが、モルモットの火葬での一言です。
ショルダーバックに入れていらっしゃいました。受け付けの時にご希望の火葬方法を決めてもらうのです。予約を受けた時は「立会火葬でお願いします。」と申込んだのですが、お客様は「自分で拾えなかったら拾ってもらえますか?」とおっしゃいました。
お葬式をして火葬炉に霊園のお花でいっぱいに飾ってお別れです。
確りと点火を見届けました。
点火後、火葬時間や火葬したお骨の説明、骨壷の説明をしてお待ちいただきました。お客様は、「一端持ち帰った後、埋葬もできますか?」ともお聞きになりました。
ホームページには書いてあるので、それを読んで納得していらっしゃっていますが、その確認の為の質問だったのでしょう。
「いつでも埋葬をすることは出来ます。」「当園は、自宅に置いておくことや自宅埋葬を推薦しています。」と言うと目を丸くしていました。
通常のペット霊園は、当然の事埋葬をして貰う施設ですので、「埋葬をお願いします。」とお客様に言うのが多いのでしょうが、当園は全くその逆なのですから。
お客様には、色々な事情がありとても自分の傍から離せないお客様も多数いらっしゃいます。そういう方々には、埋葬を強要するととても寂しい気持ちになってしまい、余計悲しさが増してきてしまいます。
そのために、自宅に置いておくことを勧めていれば、自宅に置いて置けない事情やそろそろ埋葬をしたいお客様が頃合いをみて埋葬に来てもらえます。
その時は、お客様も気持ちが切り替わっていますので、気持ちよく埋葬をしてくれるのです。
お客様は、見るからに心の優しそうな女性でした。
このモルモットちゃんが、心の拠り所の大切な家族なのでしょう。
悲しみの為に、お骨も見られないかも知れないと思っているのでしょう。
点火後の説明で、病気の発見の仕方や、骨壷の推薦するサイズのお話等をしていると何か気分も変わってきたみたいでした。
火葬時間も25分から30分とお客様に言っておきました。待っている時間で色々とこの大切な家族のモルモットちゃんの事を思い出して心の中でお別れをしているのかもしれません。
「ごゆっくりとお待ちください。」というと静かに頭を下げて前を向いていました。
火葬時間は45分間。
この子は、手足が細そうで網の下に落ちてしまいそうだったのでマット火葬に致しましたが、火葬してみるとそれ程でもなかったです。
時間が掛かったのはマット火葬にしたためですが、お客様はモルモットちゃんの指先の爪の形をしている指先のお骨まで分って感激の様子でした。
又、顎のお骨も左右確りとくっ付いていて綺麗に残っていました。当然お骨上げではこの下顎のお骨を下に敷いて頭のお骨をその上に載せて上げました。
生きている時と全く同じです。
お骨を綺麗に骨壷に入れられてご満悦の表情でした。
お帰りは、確りと胸に抱いてお帰りになりました。
申し込みの時に、「お骨は拾えないかも?」と言っていたのが嘘のように自分でお骨を確りと拾って持ち帰ったのが印象的でした。
ご冥福をお祈りいたします。