本日の特質した火葬は、猫ちゃんの火葬でした。
お経がご希望のお客様でしたので「トラ猫ちゃんですね。」と言って礼拝所でこの猫ちゃんとご対面をさせて戴きました。
段ボールの中に寝かせてありお花でいっぱいにして、綺麗な飾りつけをして猫ちゃんはその中で静かに寝ていました。
お客様は、「サバトラちゃんです。」と言われました。
普通のトラ猫ちゃんとサバトラちゃんの違いが良く分からないのですが、普通のトラ猫ちゃんとサバトラちゃんは如何違うのか良く分からないままお葬式に入らせて戴きました。
「僧名を秀月禅海と申します。」と自己紹介してから本日読むお経の説明をしてからご葬儀に入らせて戴きました。
ご葬儀の時間は、6分間で終了です。
ご葬儀が終わると、火葬炉でお花で飾ってお別れです。
ここでも、「お不動様の真言」を上げさせて戴き、御祈祷をさせて戴いてから火葬に入りました。
お客様は、18年間も一緒に暮らしていたのですからお花もいっぱいに入れてサバトラちゃんを擦りながらお別れをしています。
とても、辛そうですがお客様と最後のお別れですからゆっくりとお別れをして貰っています。お客様も踏ん切りがついたのでしょう。「お願いします。」と頭を下げて合図をしてくれました。
蓋が閉められ、点火が開始されました。
お客様方は、合掌して点火を見届けて戴きました。「この瞬間がとても辛いです。」と皆様言っていらっしゃいます。
礼拝所に戻って貰ってそこで火葬時間や、火葬したお骨が運ばれてからのお骨から見た病状や火葬したお骨の説明等の今後のスケジュールの説明をしてからその部屋で火葬終了時間を待っていてもらっています。
火葬時間は、1.8キロの猫ちゃんでしたが40分間掛かりました。
火葬したお骨は、真っ白でとても綺麗です。
お客様も、運ばれたサバトラちゃんのお骨を見て、「そのまんま。」と言われました。
私どもは、火葬中お骨を殆どいじくる事はしていません。
その為に、火葬炉に入れた形のままお客様の元に運ぶことが出来るのです。
一般的には、火葬中色々と中のお骨を動かして火葬する所が多いのです。
私どもは火葬中炎からずれてしまったり、猫ちゃんが動いてしまった場合は最初の形になるように動かしますが、それ以上の事は一切しないようにして火葬していますのでお骨が入れたままの形でお客様の元に運ぶことが出来ます。
お客様も目を見張ってそのお骨を見ています。
そのまんまの形で、真っ白なお骨が並んでいます。
全く悪い所は見つかりません。
お客様も、点火後に説明を受けていますのでそのお骨が綺麗で病気がないのが見てわかっています。
「これって病気がないですよね。」「はい。老衰のお骨だと思います。」と答えると「良かった。」と頷いていらっしゃいました。
老衰の場合は、火葬場からの見方でお客様がお骨上げをしながら分かる方法があります。
私たちの霊園では、網に載せたままの形でトレーに載せてお客様の元に運んでいます。
お客様がその網の上からお骨を箸で摘まんで骨壺に入れる時にお骨が網にくっ付いていないのが老衰のサインです。
これは、今までの経験上分かった事です。
猫ちゃんが老衰の為にお骨の中に入っている骨髄液がなくなってしまっているので網にくっ付かないのだと思っています。
通常の若い猫ちゃんのお骨は、網にいっぱいくっ付いています。
ところが、老衰の猫ちゃんのお骨は何故だか網にくっ付かないでお骨上げが出来るのです。
この様な経験を何千回を繰り返して会得した老衰の猫ちゃんの見分け方なのです。
今回のサバトラちゃんも全くお骨は網にくっ付かないでお骨上げを終了する事が出来ました。
お客様も、ご自身でこの収骨をして網にくっ付かないことも確認して「やっぱり老衰だった。」と言う事が確認できたことだと思っています。
お骨上げが済んでお客様が「何だかサッパリしました。」と言っていらっしゃいましたが、火葬をしたお骨の状態になって骨壺に入れる事が出来たので、気持ちの整理も着いたことなのでしょう。
とても、素敵な笑顔になっていらっしゃいました。
今回、18歳のサバトラちゃんの全く綺麗な老衰のお骨に接する事が出来て、頭の下がる思いでした。
猫ちゃんの寿命をまっとうして亡くなったのですから、天命を遂げたのでしょう。
本当に頭を下げてご冥福をお祈りいたします。