「綺麗に火葬して欲しいです。」
お客様が火葬炉に食べ物などを入れながら言った一言です。
今日は、10.5キロの柴犬を小型の火葬炉で火葬致しました。
最近では、560型の小型のペット火葬車で火葬する場合、10キロチョッとの犬ちゃんの火葬は珍しい存在です。
9キロを超えてくると、大型の火葬車で火葬する場合が殆どだからです。
唯、今日の火葬は、柴犬でしたので10キロを超えても小型の火葬炉で火葬することに致した次第です。
柴犬は、比較的脂分が少なくて燃え上がりしづらい犬ちゃんです。甲斐犬等もそうなんですが、比較的日本犬は脂分が少なくて小型の火葬炉でも十分、火葬に問題なく火葬が出来るのです。
お客様は、本当に大切なペットを「綺麗に火葬して欲しいんだなぁ。」と思える言動が節々にあります。
火葬炉に食べ物などを入れたりする場合に、「こんなに入れて大丈夫ですか?」と心配されていました。
食べ物は、かなりの量を入れても大丈夫ですが、なるべく体から離しておくようにしています。
体の近くですと火葬したあとのお骨の色がこの食べ物によって変色してしまう場合もあります。
変色したお骨は、お客様に「ここが悪かった。」と誤解をさせてしまう場合があるからです。
又、「タオルや衣類をペットちゃんの上に掛けて火葬したい。」と言っていらっしゃいました。
良いタオルほど燃えカスが残ります。タオルで包んであったり、上に掛けてあったりすると、お骨がタオルの燃えカスで隠れてしまってわからなくなる場合が多々あります。
又、下に敷いてあると体内から出てくる脂を吸い込んでしまって中々燃えきらない場合もあります。
ですから、タオルは脇や後ろに置いてもらっています。
ペットちゃんの火葬炉に入れ方です。
右側のホッペをしたにして寝かせるようにしています。
左側を下にして連れていらっしゃるお客様もいらっしゃいますが、炉の炎の関係で反対の右側を下にして寝かせた方が綺麗に火葬できるのです。
縫いぐるみを一緒に火葬したいお客様もいっぱいいらっしゃいます。
縫いぐるみは、お腹の中に「キュ、キュ」と音がするプラスチックの器具がぬいこんでいます。
又、お腹の中に綿が詰まっています。
最近の縫いぐるみは、その綿は化繊で出来ているものが殆どです。化繊は黒煙が出てしまうので火葬できません。
通常の綿の綿でも燃えカスが残ってしまってお骨の邪魔になります。その為に縫いぐるみは綿とプラスチックの器具を取って貰えるなら火葬する事は出来ます。
お花の場合は、極小動物、小動物以外では、体の上に載せてお花で飾ってやることが出来ます。
花束の場合は、束ねた部分に銀紙で中の水分を飛ばない様に工夫している場合があります。
銀紙は、黒煙が上がってしまいます。
銀紙をとれば花束でも大丈夫です。
唯、ひまわりは種の部分がお薬の色にそっくりの燃えカスになります。その為に体から離しておいて貰う必要があります。
私たちのペット霊園では、お客様のご要望をなるべき聞き入れようと努力しています。その為に、「こうすれば出来る」、「ああすれば出来る。」と提案させていただいています。
その提案をさせて戴くと、お客様は「(綺麗に火葬して貰えるなら)これは止めときます。」「脇に置けば良いのですね。」ととても素直に聞いてもらえます。
これも、全て大切なペットちゃんを綺麗に火葬して欲しいと思っているからだと思います。
私たちは、毎回お客様のまごころに接して日々精進しています。
この様なお客様のまごころを大切に感じつつ、「自分の大切なペットを火葬するんだ。」と思う気持ちで火葬を続けたいと思っています。