或る日の10時30分からのお客様はチンチラの火葬のお客様でした。
黒と灰色の混じった毛がさぞ暖かそうな感じの可愛いペットちゃんです。小さな箱にタオルで包んで抱えて連れて参りました。
お箱を開けて、包んであるピンクのタオルを取ると可愛いチンチラちゃん260gが未だ眠っているように寝かせれていました。
「本当に可愛いね。まだ寝ているみたい。」
「朝方死んでしまいました。でもまだ生きているみたい。」
お客様が言っていました。
礼拝所でお経を上げてお葬式を行い、火葬炉に載せて霊園のお花と自分たちのお花で一杯にして食べ物も入れてお別れして点火を見届けました。
お客様の希望は、個別立会火葬をして自分たちでお骨を拾って粉骨パウダーで持ち帰りがご希望でした。
火葬したお骨をトレーに載せてお客様お客様の所にお持ちして、お骨の説明を致しました。
そのまま、残った足の指が確りと付いていてお客様にその旨言ってお見せすると目を細めて「ほんと、指のお骨のいくつもつながっているのも分かります。」「肉球もはっきり分かります。」
首の所をよく見ると喉仏がそのまま首の第一頸椎についていました。
これが喉仏ですよ。「え、これ、ほんとだ、頭と肩、手が合掌している。」こんな小さなチンチラでも喉仏が確りとしているんですね。「すごい。」
最近は、小さなペットちゃんでも首が廻るようになっているペットちゃんには喉仏があると思ってじっくり見ていると必ずあります。この前はハムスターにもありました。
「そうなんですか。」「綺麗な喉仏なので、粉骨しないで骨壺の中の粉骨したお骨の上に載せてそのまま持って帰ります。」それが良いですね。
こんな会話をしながらお骨上げを行いました。
頭のお骨も確りしていて火葬する前のチンチラちゃんのお顔通りでした。「ここが目、ここがお鼻、歯が確りしていますね。」
お骨上げの最中も色んな言葉が返ってきます。
粉骨したお骨は本当に少なくなってしまいましたが、そのパウダーのお骨の上に喉仏を確りと載せて少し埋めて持ち帰りました。
本当に、こんなに小さなチンチラちゃんでも喉仏は残るんですね。
チンチラちゃんのご冥福をお祈りいたします。・・・・・・ 合掌。