火葬中、霊園内のベンチで座っておしゃべりの時に言われました。
「あれ、小鳥が鳴いている。」
「凄いね。」「お花もいっぱいに咲き乱れているし。」
「まるで、天国にいるみたいですね。」と言われました。
この天国にいるみたいという表現は初めてでしたが、鳥の鳴き声は良く皆様に言われます。
特に、ウグイスの鳴き声と、ヒヨドリそしてキツツキの木をつつく音は良く聞きますし、お客様も「あの鳴き声は。」とかの質問も良く受けます。
「天国にいるみたい。」というのは凄い表現ですね。
でも、私達が目指しているのはお花いっぱいの天国の再現なんです。
チョウチョが花から花へ蜜を吸いに一杯来ます。竹藪からウグイスが鳴き始めました。このペット霊園はお花と鳥の鳴き声、そして優しい風が吹き渡りそこは天国にいるみたいです。
こんなペット霊園になればいいな。と思っています。
本日の、お客様は調布市から柴犬4.6キロの立会火葬でいらっしゃいました。
柴犬ちゃんを大きなダンボールの中に寝かせてその周りをお花でいっぱいにかざってありました。お花の廻りにはおシキミを置いています。
創価学会の方のお花はおシキミです。
調布の方だったので、「新宿までおシキミを買いにいきました。」と言っていました。
礼拝所で、持参したご本尊様を仏壇の中央に置いて、大切な柴犬ちゃんのために一心不乱に方便品、寿量品、そしてお題目をしっかり勤行されました。
唯、奥様の心から熱い物が出てきたのでしょう、途中で声を詰まらせて暫く目頭を押さえていました。
この柴犬ちゃんを本当に愛していたのでしょう。
とても可愛がっていたのでしょう。とても慈しみに満ちた溢れたお顔でした。
お経が終わって、「ここで、勤行させて貰えるとは思いませんでした。」「有難うございました。」と言っていました。
火葬炉に寝かせて、持参したお花やおシキミでいっぱいにしてお別れをして納棺です。点火の時もお題目を上げていただきました。
火葬中、柴犬ちゃんのエピソードを教えて頂きましたが、何て言っても凄いのが勤行をしているときにこの柴犬ちゃんも隣に寝転がってご本尊に前足を合わせて振る仕草をするそうです。
お客様もその姿を再現してくれました。
何と信仰心が強い柴犬ちゃんでしょう。お客様も目を細めていらっしゃいました。
こんな話をしていたら火葬が終了です。
火葬時間55分間、4.6キロのペットちゃんでは時間が掛かりましたが、この柴犬ちゃんは以前は10キロチョッとある普通の柴犬ちゃんでした。
ですから、痩せたと言えどもお骨は10キロの時と同じです。時間も同じく掛かかりますので10キロの柴犬ちゃんとすれば普通の火葬時間でした。
しかしながら、この柴犬ちゃんは様子が違いました。
通常、頭から背骨が弓なりになっていて手前に足が来る格好ですが、この柴犬ちゃんは頭は確りとあるんですが、背骨がグズグズです。
お客様は、「この子は骨粗しょう症で、お医者さんも言っていました。」「2年間も動けないで寝ていましたから。」
骨粗しょう症の凄い症状なのです。時々骨粗しょう症と言うペットちゃんにであいますが、この柴犬ちゃんみたいに背骨がグズグズなのは、見たことがありませんでした。
骨粗しょう症って恐ろしいですね。
お骨自体は背骨がこの様な状態ですから、余りありませんでした。でも頭や顎はしっかりしていました。
粉骨パウダーをご希望でしたので、お骨上げをしてから拾ったお骨を確認して貰って粉骨パウダーの作業に掛かりました。
粉骨時間は、7分程で終了です。
お骨自体は真っ白で綺麗でしたが、量は可也少なくなっていました。
丁度2.5寸の骨壷に9分目程です。
「こんなに小さくなってしまうのですね。「小さい方が、家に置いておく方も楽ですしね。」と。
「家の近くにもペット霊園がありますが、値段が高くてこちらを見つけることが出来てとても良かったです。」「家は動物がいっぱいいるので次の時もお願いします。」
「創価学会のお友達にも紹介します。」
「ここに来て本当に良かったです。有難うございました。」といってお帰りになりました。
こちらも、お見送りしてお客様が車の中から手を振ってお帰りになった事と満足感に溢れたお顔を見て、心の中でお客様の立場に立った火葬が出来たと実感させていただきました。
柴犬の葬儀と火葬 のぺーじへ。
調布市からのペット火葬