ノーフォーク・テリアの火葬は今回初めてだと思います。このお客様は狛江市からいらっしゃいました。
霊園にダンボールの箱に入れて綺麗に飾っていらっしゃいました。
火葬する前にダンボールの中に入ってタオルを掛けてありました姿をチョッと見ましたが、その時は小さな犬ちゃんだね。と思った程度でした。
お葬式を挙げて、火葬炉にそのノーフォーク・テリアを運び、火葬炉の上に載せて初めて7キロの犬ちゃんのかなり確りとしている感じを受けました。
テリアですから、名前を聞いてだけで脂が多い犬種だと思っていました。
チョッと用心の為に、s-4火葬の準備をして火葬炉にお迎えをしたのですが、火葬を開始して初めて子のこの燃えやすさにビックリしました。
通常s-4火葬ですと、7キロぐらいの犬ちゃんは何でもなく終わるのですが、今回のノーフォーク・テリアちゃんは事情が違いました。
火葬を開始して5分ぐらいで燃え上がって煙突から火柱が出てきました。
一次火葬炉の燃焼を停止するとs-4火葬ですからすぐにこの燃え上がりも止まります。
燃え上がった犬ちゃんの火葬で、一次火葬炉のスイッチを切ってすぐに燃焼が止まるのはS火葬のお陰です。この方法を開発すろ前は、火葬炉に空気を入れなくして火の勢いを止めて火葬する方法でしたので、臭いも出ますし時間も掛かります。
ましてや、一次の火葬炉に空気を送る所を閉めてしまうので、その器具自体が熱を持ってしまって手も触れられない状態でした。
このS火葬でその様な状態にならずに済みますし、臭いも全く出なくなりました。その上火葬時間も短縮できお骨の仕上がりも綺麗です。
今回もその火葬方法を使い、一次に点火して燃焼させ火柱が出そうになったらスイッチを切って燃焼を下げる。又少し時間が経ったら燃焼させ過燃焼気味になったら止めるを繰り返しました。
二次の温度が900度を超してから二次の燃焼をストップさせて一次の燃焼を継続することに致しました。
これは一次の過燃焼している上に二次の燃焼が重なる事で煙突から火柱が出てしまいます。それを防止するには二次の燃焼をストップさせてればそれが止まります。
唯、二次が900度位行っていない場合に二次を切ってしまうと煙突から煙が出る場合がありますので、二次火葬炉の温度の上昇を待って900度に上がってからこの二次の燃焼を止めることで一次の通常の火葬をすることが出来るようになります。
この様な方法と脂が多いテリア系の火葬作業が安全に短期間ですることが出来ました。
お陰で火葬時間も40分間と7キロの脂の多いペットの火葬とは思われないスピードで火葬が終了しました。
火葬したお骨の頭から尻尾まで綺麗に残っていて、とても真っ白でした。
唯、肺あたりに大きな腫瘍がありました。お客様もそれを見てビックリしていました。「小腸にあると思っていたのですが、肺に転移していましたか。」
又足を怪我して針金が入っていたのを見てつけて、「あ・・やっぱりあった。」と。
その針金を切ってカプセルに入れて大切に持ち帰りました。
火葬しているスタッフとは別にお客様は、ご自分の思う通りの火葬ができて、満足感に満ち足りた表情をしていました。
ここで、ノーフォーク・テリアについて
ノーフォーク・テリアは穴に逃げ込んだ狐や穴熊、鼠の捕殺に最適なテリアとして古くから飼育されてきた。
ノーフォーク・テリアはテリア種の中でも特に小さく、体高が低い。
コンパクトな体型でありながら狩猟の素質と冷静な気質を備え、穴に潜むどう猛な獲物を怯む事なく追跡する農場の万能犬として信頼を得てきた。
大型テリアに遜色のない体力と、どんな天候にも耐え得る被毛をもち、原野の「小悪魔」とも形容される。ノーフォーク・テリアとノーリッチ・テリアが同じ祖先をもつ事は外貌によって容易に分かる。
実際ノーフォーク・テリアとノーリッチ・テリアは長い間、明確に区別はされていなかった。
グレン・オブ・イマールテリア、赤毛のケアーン・テリア、ダンディ・ディンモント・テリアなどイギリス東部で飼育されていた小型の赤毛テリア種を交配させて誕生したのがノーリッチ・テリアである。
1932年にイギリスのKCがノーリッチ・テリアを公認したものの、毛色や耳の形、サイズなどの統一はされず、「垂れ耳」のノーリッチ・テリアが存在していた。
第二次世界大戦後には垂れ耳と直立耳のノーリッチ・テリア同士の交配はほとんど行われなくなり、1965年になって、KCはノーフォーク・テリアとノーリッチ・テリアを別の犬種として区別した経緯がある。
ノーリッチ・テリアの耳は直立であるのに対し、ノーフォーク・テリアの耳は先端で前方に垂れなければならないと規定された。1914年には狩猟家により赤毛のテリア種がアメリカに紹介され、耳の形態について論議されていたが、1979年AKCは正式にノーフォーク・テリアを別犬種と認めた。
これ以降アメリカでもノーフォーク・テリアとノーリッチ・テリアは別々の改良が行われる事になる。
ノーフォーク・テリアは断尾が絶対条件ではないが、断尾をしない場合でも尾の根元は厚みがあり、先端に向かって先細りになっている必要がある。
被毛の定期的な手入れは必要であるが、トリミングをすることは禁止されている。近年は狐狩りの特技を見せる機会は少なくなり、郊外ではなく都市部で飼育されるノーフォーク・テリアが多くなっている。
しかし、ノーフォーク・テリアは愛玩犬ではなく狩猟犬である。
狩猟によってできた傷跡はテリアの勲章として扱われる。
表情豊かで社交的、愛嬌があり、恐れを知らず勇敢、主人に忠実だが用心深さを併せもつ。