お顔に骨肉腫の大きな塊あるアメリカンショートヘヤーの猫ちゃんの火葬をいたしました。
お客様のご自宅を訪問してお客様に「この子は骨肉腫です。」と言われて火葬炉に載せました。確かにチョッと左のほっぺが腫れているように見えますが、言われなければ分かりません。
火葬を初めてこのアメリカンショートヘヤーの猫ちゃんは非常に火の廻りが早くドンドン燃えている。という感じの燃え具合です。
以前ならもうすぐに一次燃焼を切って空気を入れない火葬方法を使ったのでしょうが、現在では過燃焼になりそうだったら一次燃焼を切っておけばすぐに過燃焼が止まります。
これが火葬方法の改良をした成果なのでしょう。
一次を点けたり消したりするだけで火葬炉の中を調整できています。このお陰で火葬時間も短縮でき、その分だけ綺麗にお骨を火葬するための最終の燃焼時間をいっぱい取れますので、綺麗なお骨に仕上がります。
今回は、このアメリカンショートヘヤー猫ちゃんの火葬中に嫌な感じになりました。
と言うのは、火葬中に猫ちゃんの火葬具合を確認していたのですが、頭の部分が何か変なもので覆われているような感じに見えます。
何だろう。と何回も何回も確認したのですが、アメリカンショート猫ちゃん自体の火葬は進んで行きますが、頭の部分の燃え残りなのでしょうか、大きな塊は依然燃えてくれません。
燃えているのかもわかりません。
覗き窓から見ているだけでは良く分かりませんので、火葬炉の蓋を開けて中を良く見て見ることにいたしました。
何と、猫ちゃんのお口の部分に大きな塊があることが分かりました。
お客様が、「この子は骨肉腫です。」と言っていたのを思い出してもしかすると顎の部分がその骨肉腫なのでしょう。
この猫ちゃんは、燃焼速度が速いので25分ぐらいでほゞ終了しそうだったんですが、10分間余計に火葬して、通常の火葬時間の35分間のしっかりした火葬で顎の辺りにある骨肉腫を完全に火葬してあげることにいたしました。
火葬したお骨を見て見ると直径3センチぐらいの大きな塊が顎の周りにあります。
肝硬変の塊はこの様な大きな塊になっている場合が多々ありますが、今回の骨肉腫でこのような塊を見るのは初めてです。
骨肉腫は癌ですから、焦げ茶色の少し紫っぽい色が入っている塊が癌の特徴ですが、今回の骨肉腫はまるで肝硬変のような塊でした。色も石化した塊のように白っぽい灰色でした。
お客様にその状況を説明すると、「こんなに大きな塊があったんですね。」「辛かったでしょうね。」と涙ぐんでいらっしゃいました。
今回も、火葬時間は10分ほど余計に火葬して綺麗にこの骨肉腫の塊をすっかりと芯の中まで火葬することが出来ましたが、このような病状はここで火葬終了しても大丈夫だと思っても後5分余計に火葬しよう。と言う事でこのような綺麗な中の芯まで無事火葬することが出来るのだと思って実践しています。
お客様も、大事なアメリカンショートヘヤー猫ちゃんの最後の姿を確認することが出来て満足した様子でした。
これからも、しっかりとして丁寧な火葬を心掛けていきたいと思っています。