昨年の暮れから容態がおかしくなり昨日死亡した飯能市美杉台のシーズちゃんは、肝臓がおおきく腫れた肝硬変でした。
7キロぐらいあった体重が減ってしまい4キロまでに落ちてしまいました。火葬炉に載せたときはお腹もあばら骨が出てしまって見るからに衰弱しているのが分かりました。
火葬中、始めの内は通常の燃えかたをしていたのですが、脂分がかなり燃えきった時に火葬炉の中を確認したら大きな塊が二つありました。
その内、一つは段々小さくなって来ましたがもう一つの塊は全然大きさが変わりません。丁度位置的には肝臓の辺りですからもしかすると肝硬変かな?と思いながら火葬を続けました。
よく見ると黒い塊の部分がその塊の上部にあります。
これも、肝硬変の患者を火葬しているときにチョクチョク見掛けるものです。
肝硬変を火葬したお骨は、「肝硬変の部分が丁度豆炭が燃えきった後に残る残り灰のような感じに残り、その上部に黒っぽい色の燃えカスが残ります。」多分それだろうと想像して火葬を続けましした。
このシーズちゃんは始めから良く火がついて燃え方も良かったので、火葬時間が短くて済みそうでしたがこの肝硬変の塊の燃え尽くすのに時間が掛かりました。
又、お腹や下腹部からお尻に掛けて燃えカスがかなりあります。
最近急に痩せたペットちゃんに多く見られます。この燃えカスと燃え残りの区別が中々つきません。
火葬初心者の内は、この燃え残りがまだ燃えきっていないうちに火葬を終了してしまう間違えを起こしやすい部分です。
この下腹部の燃えカスの燃焼と肝硬変の燃焼に時間が掛かり、火葬時間も40分かかりました。これは、もう火葬を終了しても大丈夫だろうと判断してから10分間余計に時間を伸ばして火葬を終了いたしました。
この結果、肝硬変の部分も下腹部の腸の部分の燃えカスも綺麗に完全に燃えきって火葬を終了することが出来ました。
火葬炉を開けて確認すると縦が4センチぐらいで横が2センチぐらいの大きな肝臓の燃え尽きた塊が残っていました。また、胸辺りと下腹部からお尻の周りまで内臓の燃えカスがいっぱい残っていました。
この内臓の燃えカスは、腸などが硬くなってしまったのでこのように燃えカスとして残るんでしょうか?疑問がいっぱい湧きます。
全く燃えカスが残らないでお骨だけで火葬が終了するペットちゃんが殆どですが、このように小腸から大腸なのでしょうが燃えカスとして残るペットちゃんが時々現れます。
私たちは、この現実を隠さずありのままをお客様にお見せすることにしています。
今回も、お客様の前にそのままお見せするとビックリしていました。特に肝硬変の塊を見て「これが肝硬変ですか?」と。
肝臓がこんなに悪かったとは思いませんでした。肝硬変の塊を指で突っついて見るとグズグズと柔らかい感じで崩れていきます。また、大腸部分の燃えカスは石化している部分もあり手に取って潰してみると硬い塊の燃えカスでした。
今回のお客様も当然この悪かった部分の塊は骨壷に入れないでこちらで処分することにいたしましたが、綺麗なお骨だけを入れた骨壷をお受け取りになりました。