「家の犬ちゃんがもう3日も食べなくなってしまいました。もうじき危ないかと思うので火葬の事を教えてください。」と青梅市内のお客様からお電話を受けてから2日経ちました。
「今日の今しがた亡くなりましたのでお願いします。」と犬ちゃんの火葬の申し込みを受けました。
先達ても言っていましたが、9キロのトイプードルとの事です。こちらも「え、9キロですか。 」「スタンダードか、ミディアムプードルではないのですか?」「いえ、トイプードルの血統書もあります。」と言われました。
予約時間は、18時からの出張火葬です。
青梅市の谷野にお住いのご自宅を訪問して、居間に通されました。
そこに、寝かせてある犬ちゃんを見て、どう見てもトイプードルとは見えない大きさです。お客様も「大きいですよね。」と言っていましたが「ミディアムプードル」って感じです。
「トイプードルとの事で血統書も付いている犬ちゃんを購入したのですが、両親も3キロと4キロのトイプードルちゃんです。」
「如何してこんなに大きくなってしまったんでしょうね。」買った所のお店で聞いてみたのですが、お店の人の言うのには「先祖帰りをしたんじゃないですか。」と言っていました。
「17歳って長寿ですよね。」と言うと「そうなんです、皆さんから言われます。」霊園のトイプードルの長寿記録を調べてみると最高年齢が19歳の犬ちゃんが3匹いました。
「17歳ですから、3位ですよね。」「平均年齢って、どの位なのですか?」「当園で火葬したトイプードルちゃんの平均年齢は10.8歳です。」「そうすると、随分長生きだったんですね。」
この様な会話をしながら申込書を書いていただきました。
「ここで、お経を読んでお葬式を挙げさせて頂いて宜しいですか?」と聞くと「お葬式もやってくれるの。お願いします。」
プードルちゃんに向かって皆さん手を合わせてお葬式が始まりました。飼い主の皆様は真剣です。目を瞑ってお鼻の所で手を合わせて確りと拝みながらお経を聞いています。
お葬式も終了して、プードルちゃんを火葬炉に運んで寝かせてやりました。
ここで、お客様とプードルちゃんの本当のお別れです、お線香をあげて貰ってお不動様の真言を挙げてお別れいたしました。
お客様は、火葬炉がしまり車の扉が閉まるのを確りと手を合わせて見つめています。「本当に大切なプードルちゃんだったんですね。」と私たちも目が熱くなる思いでした。
火葬場所はいつも行っている所です。ここはとても綺麗な桜並木があり、桜の花が満開の場所です。
夜桜の下での火葬になりましたので、この長寿のプードルちゃんには桜のお花いっぱいの火葬はうってつけかもしれません。
本日は、9キロのプードルちゃんですから脂分も相当なものです。その為大型の火葬車での火葬にいたしまいたが、やっぱり脂分も多かったです。
大型の火葬車ですから煙や臭いは全く問題ないのですが、夜間の為煙突から炎が少し出ているのが見えました。
火葬時間は40分。
火葬したお骨は、悪い所が見つからずお客様の申告通りの「老衰」なんでしょうね。お骨は真っ白でとても綺麗に火葬できています。
個別一任火葬でしたので、スタッフがお骨上げをその場で行いましたが、サービスになっている4寸の骨壺には、頭が長くてしっかり残っているために入りませんでした。
お客様からも了解を得ています有料の5寸の骨壺に入れましたが、頭蓋骨はこの5寸の骨壺でも平らに置くとあと少しで前と後ろが骨壺の壁にぶつかってしまうほどでした。
やっぱり、トイプードルが肥ったものではなくて、お骨の太さや大きさから行ってこのプードルちゃんは「ミディアムプードル」ちゃんだったんだと思いました。
お客様宅に火葬したプードルちゃんのお骨を持ってお伺いして、骨壷を開けて見て貰ってから骨壺をお渡しいたしました。
お客様も、「やっぱりお骨も大きかったですね。」としみじみ言っていました。
「でも、綺麗に火葬していただいて有難うございました。」と言われて受け取って頂きましたが、骨壷を撫ぜるようなしぐさがとても印象的でした。
それにしても、9キロのトイプードルとは大きかったですね。