「お参りのお客様ですか。お参りご苦労様です。」とお客様に声を掛けたら「チョッと墓地を拝見している所です。」とご返事を戴きました。
「2月に移動火葬でパピヨンを火葬してもらってから家に置いておきました。」
「ペットの埋葬をしたくて見学に来ているのですが。」「共同墓地はどの様に埋葬するのですか?」と質問を受けました。
共同墓地への埋葬は、骨壷から出して散骨する方法で埋葬する旨のお話をすると、今度は「パウダーにして埋葬というのがあると書いてあったのですが。」と質問されました。
パウダーにして土に帰す埋葬は、自然埋葬となります。
自然埋葬の方法と金額と共同墓地への埋葬の金額も説明をさせて戴きました。
お客様は、このペット霊園が気に入っているみたいです。もうこのペット霊園に埋葬することを決断しているのですが、どの方法で埋葬したらよいか迷ています。
「今日お骨は持っているのですが、今日って出来ますか。」「現在16時30分ですから今の時間なら大丈夫です。、次は17時30分からなので。」「じゃあ、お願いします。共同墓地への埋葬で塔婆もお願いします。」
こんな形で共同墓地への埋葬をすることが決まりました。
礼拝所でご供養をしてから共同墓地で埋葬するために骨壺の中を開けた時です。
「あれ???。」思わず声が出てしまいました。
それは、今まで見たこともないような無残なお骨です。
真っ黒な塊がいっぱい入っている骨壺の中身でした。頭のお骨の中は、真っ黒な燃え残りが隙間なく詰まっています。
これは、まだ半焼けの状態のお骨でした。
酷いです。こんな火葬したお骨を見るのも初めてですし、このお骨では共同墓地への埋葬は出来ません。
「お客様、もう一度火葬しなおしましょう。」と申し出させていただきました。
「これでは、ダメですか。」「はい、このお骨はまだ火葬が出来ていません。」お客様はビックリして頷いていました。
T市の移動火葬業者にお願いして火葬したと言っていましたが、こんな火葬をしてお客様にお骨をお渡しする会社もあるんですね。ビックリです。
「火葬をし直すと、この黒いのが無くなりますか?」「はい、綺麗な真っ白いお骨になりますよ。」
お客様は半信半疑です。
火葬中、心配そうに火葬車を遠巻きに見ています。
「火葬炉の中を見ることができますが?」「是非見せてください。」
火葬炉の中を覗き窓から見てお客様のお顔が一変しました。
「真っ白になっているね。」「あれ、何だったの?」
火葬が終了して、お客様に火葬し直したお骨をお見せすると、「これが、あのお骨ですか。」「真っ白ですね。」「この青い色は?」「これはお薬の色でお客様がお持ちになったお骨が全く火葬が終わっていない証拠です。」「こんなのも残るんですか。」
お客様は、この可愛そうなパピヨンちゃんのお骨を皆様少しずつ分骨して持ち帰りたいと言ってカプセルを注文致しました。
再火葬したお骨からカプセルに入れやすい、犬歯、尻尾、足の指等を選んでやって銘々がお持ち帰りです。
「有難うございました。これでお骨を埋葬できますね。」と真っ白に火葬できたお骨を骨壺に拾ってから共同墓地へ埋葬です。
共同墓地では銘々がお骨をお箸で摘まんでカロートの中に散骨です。「良かったです。」「良い所に来て埋葬で来て。」と言っていました。
「お花いっぱいだから決めました。」と言っていましたが、共同墓地へ埋葬して塔婆を立ててお帰りになりましたが、お帰りになる時は笑顔いっぱいでした。
確りとパピヨンちゃんの亡骸をお守りいたします。