八王子市楢原町のミニチュアダックスの移動火葬を致しました。
朝一番でお客様宅に到着したのが、予約時間の30分前で「チョッと早いかな?」と思ったのですが、昨日の火葬がご希望の方でしたので、「早くても大丈夫だろう。」と思って伺いました。
大きなお腹のミニチュアダックスちゃんでした。
「腹水が溜まってしまって。」と言っていましたが、凄く大きなお腹が印象的な犬ちゃんです。
火葬炉に載せて本社から持参したお花たちをお客様にお渡しして飾ってから、自宅前の路上でお葬式をして引き取ってきました。
火葬場はお客様の自宅から15分ぐらいのいつも遣っている環境の良い所です。そこは人の往来が殆どありません。
火葬場に着いて火葬を開始したのですが、開始してすぐに犬ちゃんに大きな変化がありました。大きなお腹の下腹の部分から風船みたいに25センチ位の膨らみが出現しました。
腸にガスが溜まっていたのかその場所に集まって膨らんだのでしょう。そこから噴水のように水状のものが噴き出てきました。でもすぐにその膨らみはなくなり落ち着きました。
それから、5分程して今度は、肝臓の所がどう見ても肝硬変の塊のような豆炭状の塊が3つ、4つ見えます。
今回は、大型の火葬炉で火葬しているので、この肝硬変の塊は残らないかもしれません。火力が強く風圧も大きいので、その塊を真っ赤にして少しずつ吹き飛ばしています。
これが、火力が弱い小型の火葬炉だと確りとそのままの姿で残っているのでしょう。
大型車で火葬していて良かったと思います。それはこのミニチュアダックスちゃんのお腹も大きかったですが、脂分も相当多く見受けられます。
試しに、火葬炉の燃焼方法を高燃焼に切り替えるとすぐに、黒煙が出そうな前触れが出てきます。試しをすぐ止めて通常の火葬に戻りましたが、火葬炉の覗き窓の蓋を閉めることはできませんでした。
蓋から空気の注入とバーナーモーターの所の空気弁を最大限に開いての火葬です。そうしないと黒煙が出てしまう事でしょう。今回は「小型車で来なくて良かったな。」と思いました。8.5キロの体重のミニチュアダックスちゃんでしたが、やっぱり肥っていました。
この様な脂分の多い犬ちゃんで10キロ前後の犬ちゃんは、大型車で空気をいっぱい入れながらすると短時間で火葬も終了します。
火葬時間も40分で火葬が終了したと思って一旦消火してから炉内を見ると、炉台の両脇から火が噴いていました。これは、脂分の多いペットちゃんの終わり際に起こる現象です。
40分で犬ちゃん自身の火葬は終了したのですが、この脂分の燃焼が完了するまで55分かかりました。何と15分も下に落ちて溜まった脂分だけで燃えていたことになります。
あんなに大きかった肝臓の腫れた所は綺麗に燃えていましたが、お骨を炉から出して見ると小型炉ではすっかり残る肝硬変の痕も大型の火葬炉では燃えカスが積もっている状態でいつもの豆炭の燃え残ったような形はありませんでした。
唯、その場所を良く見て見るとちょうど真ん中に茶黒っぽい腫瘍がありました。お客様は「歯周病があるかも?」と言っていましたが、頭のお骨の状態を見る限りではありませんでした。
この子の体重が8.5キロでしたので通常は4寸の骨壺に入るのですが、お顔が大きかったので5寸の骨壺になりました。
お客様のご自宅に戻ってお客様にお骨をお渡しすると、「未だ、高齢の猫ちゃんもいますのでよろしくお願いします。」「丁寧にしていただき有難うございました。」と深々と丁重に頭を下げてお礼を言われました。
ご冥福をお祈りいたします。