「兎の火葬はやっていますか?」「はい。遣っています。」「お骨は持ち帰れますか。」「大丈夫です。お持ち帰りは出来ます。」と電話での遣り取りが始まりました。
「兎の火葬料金はお幾らでしょうか?」と云う質問があり、「立会火葬20,000円、個別一任火葬15,000円、合同火葬10,000円」と説明させていただきました。「高いね。小さい兎なんかけどね。」
と一旦電話が切られました。
通常は、この「高いね。」と云うお客様はあまり次の電話は掛かってきません。でも暫くして「今日できますか?」とお電話いただきました。
最近は、比較的空いている状態が続いているので「16時30分以降なら大丈夫です。」と答えて16時30分に多摩市から来園頂く予約をお受けいたしました。
お客様の到着は、チョッと早めの16時丁度でした。
前のお客様は、移動火葬のお客様で時間が少し多めにとってあって、家の前での火葬でしたので早めに帰ってくることが出来たので、無事にお迎えする事ができました。
奥様が大事そうに優しく抱っこして連れていらっしゃいました。
霊園のベットを用意してそこに礼拝所で寝かせて貰ってから受付です。
「小さい兎なんだけどね。」と言われたように小さいミニウサギでした。
兎ちゃんの火葬は、猫ちゃんと時間的には変わりません。脂分がないので中々燃え尽きるのに時間が掛かります。
今回のミニウサギちゃん1キロも猫ちゃんと同じ時間の35分間掛かりました。
兎ちゃんを火葬炉から出してビックリです。
それは、頭のお骨がグズグズだったからです。
兎ちゃんの火葬は、小さいのでかなり頭のお骨は火の噴出口から離して横に寝かせて火葬しています。
でも、今回のミニ兎ちゃんの頭のお骨がグズグズです。
お客様に「この兎ちゃんは歯周病がありませんでしたか?」と聞くと奥様が「凄かったです。」とお答えいただきました。
「やっぱり。」これで頭のグズグズの訳が分かりました。
歯周病のかなり進んでしまった兎ちゃんなのです。歯周病に犯されて頭のお骨がこんなに悪くなっていたのです。
「怖いですね」。「恐ろしいですね」。「歯周病って。」
お客様の納得してそのお骨を見ていました。でもその他の喉仏や、第一頚椎、足の指、仙骨など確りしていました。
可愛い喉仏にニッコリです。
「ほんと、仏様の形ですね。仏様が合掌している形がわかります。」と言っていました。
2.5寸にお骨を収骨して最後にグズグズの頭のお骨を入れましたが、やっぱり箸で持っても手で持っても壊れてしまいました。
残念ですが、そのままの状態で骨壺の一番上にのせて最後にその真ん中に喉仏を載せてお骨上げの終了です。
お客様は、グズグズの頭のお骨には拘っていずに、喉仏が綺麗に残っていてお骨の真ん中に置くことが出来たので喜んでいました。
やっぱり愛情って色々な所に出てきますが、収骨した骨壺を胸の前に抱く姿にしても今までこの兎ちゃんに掛けていた愛情の強さが分かります。
確りと胸に抱いて多摩市のご自宅にお帰りになりました。
ミニ兎ちゃんのご冥福をお祈りいたします。