通常の予約のお電話でした、今日の予約は可也一杯でしたので、「10時30分か19時が空いていますが、如何なさいますか。」とご希望のお時間を聞くと朝一番の「10時30分でお願いします。」とご予約を戴きました。
この子は、16歳2ヶ月での病名は多臓器不全です。
礼拝所でご自分たちでお線香を上げてお葬式を済ませて、火葬炉にヨークシャテリアちゃんを載せて持参したお花と霊園のお花で一杯に飾ってお別れです。
記念に撮ったお写真も、心を込めて火葬炉の中に置きました。お写真はそのままの状態で火葬をしても残りますので、ヨークシャテリアちゃんを載せてある網の下に置かせていただきました。
火葬が開始されて直ぐにこのヨークシャテリアちゃんは、多臓器不全の兆候でしょうか腹水が一杯溜まっていたようで、お腹から細い一筋のお水が噴出し始めました。
この噴出は、いく筋にも分かれて段々多くなってきます。
その内、太い噴出が始まりました。太い噴出が1分ほどで終わるとまた細い噴出が開始されます。
その内また太い噴出が始まり、細い噴出に変わります。
この様な腹水の噴出が4分ぐらい続いたと思います。随分溜まっていましたね。
その噴出した辺りが燃え方がおかしいです。泡がブツブツと経つような燃え方が暫く続き泡が亡くなってからも脂がブツブツと噴出してくるような燃え方です。
火葬中、色々な事がありますがこのお腹から上の部分が相当悪かったと思わせるお肉が中々減ってこないのです。その状況の火葬が最後まで続きました。
火葬の後半は、普通のペットと同じ状況で燃焼が続いていますが、やっぱりその悪そうに見える部分が燃え残っています。
通常のこのヨークシャテリアの3キロ位のペットは、30分で火葬が終了して後5分間はお骨廻りに燃え残っていないかを調べながら安全のために5分伸ばして35分で終わるパターンです。
でも、この子は40分間掛かりました。
訳は、お腹から上の部分の燃えカスが多くて中々燃え終わったと判断するのが出来ないくらい色々と残っているのです。
今回は、その確認をするために火葬炉の蓋を開けて上から見ながら燃え残りの確認を致しました。綺麗に火葬が出来ていました。
火葬したお骨を火葬炉から出してビックリです。
お腹にお薬の凄く青い色が確り出ています。また燃えるのに時間が掛かった部分は相当悪そうに色々な塊が残っています。
その燃え残り物は、確りと火葬できていましたが、よく見ると肝硬変の3センチ位の大きな塊があり、肺辺りには2cm位の茶色の塊がありました。
お腹の青い色と薄い茶色の肺の塊、そして肝硬変の塊と確りとお腹から上の部分に悪い所が一目瞭然に分るように並んでいました。
お客様も「凄い」と言っていました。又「火葬すると悪い所ってこんなに良く分るのですね。」とも言っていました。
それにしても、これだけの色々な障害があるヨークシャテリアちゃんが16年2ヶ月の長い生涯を生き抜いてきた事は凄いことです。
「良く長生きしましたね。」「良く頑張りましたね。」と生命力の強さと献身的に看病したのでしょう。飼い主の皆さんの頑張りに敬意を表したいと思っています。
頭の体も綺麗に残っていましたが、小さいお骨でしたので3.3寸の骨壷にゆったりと入りました。
良く頑張ったヨークシャテリアちゃんのご冥福をお祈りいたします。