あきる野市山田で久々のゴールデンレトリバーの移動火葬を致しました。
最近はラブラドールが多くてゴールデンレトリバーは今期に入って2月から9件目です。少ないですね。8月1件、7月なし、6月1件、5月1件とこの5ヶ月間はあっても月1件ペースです。
それに引き換えラブラドールは16件です。
リピータの方からの紹介で久々のゴールデンレトリバーで今回は夜間火葬になりました。
お客様の所に予約時間の10分遅れで到着して、火葬車に載せてお葬式を行いました。近所の方も紹介者の二組もお見えになってお別れをしています。
今回は移動火葬の一任火葬がご希望ですが、お客様が勤めている会社に良く連れて行ったといっていました。「直ぐ近くですからその会社で火葬をして欲しい。」とのご要望で車で2分のその会社の駐車場で火葬することに致しました。
今回は、一任火葬という事で近くに最適な場所もありそこで火葬する手はずでお客様のもとを尋ねたのですが、敢えなくその計画はなくなりました。
実は、丁度手ごろな29キロのゴールデンレトリバーですから、最近使用していない強制空気の注入による火葬をする手はずで準備していました。
お客様が連れて行ってくれた会社は五日市街道沿いの会社でした。
そこで、本日の計画通り強制空気の注入による火葬をすることに致しました。
ここは、マチ場ですので山の中で遣るつもりでいたのとチョッと違います。
ここでは、煙突からの炎を出しての火葬することは許されません。その部分は慎重にして強制空気の注入火葬を始めました。
今回のゴールデンレトリバーちゃんは、見ると筋肉粒々に見えますが、実は脂肪がしっかりと載っている犬ちゃんでした。火葬開始して暫くは、脂がポタポタと落ちていましたが、それから10分もしないうちにポタポタポタポタと凄い勢いで脂が出てきています。
火力も始めは大した事がなかったのですが、ドンドン火葬の除き窓からも出てくるようになりました。
こうなると煙突から炎が出てくる前兆です。一次火葬炉をけして火葬バーナーからの空気を強制的に開けました。通常の第一段階の行動です。
これから強くなってきます。
そのために強制空気の注入準備に掛かりました。そうです扇風機を使って強制的に空気を注入するのです。これで煙突から炎が出るのが止まる筈です。
でも、今回は扇風機の準備をして煙突からどの位で炎が出始めるか見極めることに致しました。
現状は、一次を切ってバーナーからの空気の注入だけで炎は出ていません。燃焼がドンドン上がってくればその内出てきます。
それまで我慢をして続けていきました。火葬炉の温度が800度を越した辺りから煙突からチラチラと少し出始めました。そこで扇風機の出番です。
扇風機も3段階ある弱から始めました。
凄い威力です。チラチラしていた炎もすぐになくなりました。この子の脂分は大変多いラブラドールちゃんでしたのでこれからドンドン燃え上がってくるでしょう。
それから暫くして扇風機の強さを中にしましたが、炎が出てきます。そこで2次火葬炉を消化しました。これで煙突から炎が消えるはずです。炎は消えましたが今度は煙が出始めました。すぐにこの2次点火して煙は消えましたが炎は消えません。
扇風機の強さを強にしましたが、以前出たままでした。
そこで今まで扇風機の向きを正面からずらしておいて空気を注入していましたが、今回はそれを正面に向けて吹き込むことに致しました。
そうする事で煙突からの炎も消えました。丁度火葬を開始してから45分の事でした。
今まで、正面から空気を入れると火葬炉の中の煙りが脇から漏れてしまって火葬場がくさくなりましたが今回なりません。
脇の空気の遮断がうまくいっている証拠です。
この火葬炉の一番の弱点は、火葬炉の中の煙が強制空気の注入で脇から漏れだすことでした。それが今回正面から空気を強制注入しても漏れないでいます。
これは、火葬炉の脇のセラミックが火葬炉台のセラミックと隙間がなくなり上手く空気の遮断が起きていて脇から漏れなくなっているのだと思います。
この事は、何回も火葬台の所に張ったセラミックと壁のところのセラミックが磨耗して平になったお陰で隙間がなくなった証拠です。
上手く煙突からの炎も止まりました。
火葬炉の中は先ほどより威勢よく燃焼しています。ここで伏兵が出てきました。
そうです、このゴールデンレトリバーちゃんの脂がたれて火葬台の下に溜まった脂が燃え始めたのです。
この下に溜まった脂は高温にならなければ中々燃え始めません。
煙突からの問題は解決しましたが、今度は下に溜まった脂対策です。扇風機での強制空気の注入だけでは中々燃え尽きる気配がありません。
ゴールデンレトリバーちゃんの体は1時間10分ぐらいで終わりましたが、この脂はどの位掛かるか分かりません。以前シェルティーを火葬した時に脂だけで1時間も掛かってしまったことを思い出しました。
そこで、今回工場から電気をお借りしていますので、今度は掃除機の吹き出し口から噴出空気をダクトで送っているブロアーを使うことに致しました。
ブロアーで空気を注入すると半端ではなく燃え上がります。
この分で燃え尽きてくれることを期待しながら持久戦の始まりです。空気を下に向けて送ると火葬台の脇から火の勢いの付いた炎が燃え上がっています。
このブロアーをすること25分で火葬炉に溜まった脂が燃え尽きましてこの火葬が終了いたしました。
火葬時間は1時間35分でした。
火葬したお骨は、足の付け根に2.5cm位の癌があり脊髄も黒くなっていました。
歯周病があったらしく顔の前の方がスカスカでしたがスタッフがお骨を上手く6寸の骨壷に綺麗に入れることが出来ました。
一任火葬したので、骨壷に入ったお骨をお客様のもとでお骨見せて説明すると、足の指、喉仏、爪にビックリしていました。
ありがとうございました。と皆様からご挨拶を受けて帰途に着きましたが、随分脂の乗っているゴールデンレトリバーちゃんの火葬でした。