「チョッと大きめな猫の種類ですが、体重は4キロチョッとです。」と予約のお電話を受けました。
予約時には、猫ちゃんの種類は聞きませんでしたが、4キロチョットと言う言葉が気になりました。4キロあるとかなり大きな猫です。そのつもりの火葬体制が必要です。
お客様は、12時の予約でしたが、11時35分と早めに来園です。ご住所も極近くの上柚木でしたがヤッパリ時間に遅れてはと思っていたのかもしれません。
ダンボールに入った猫ちゃんは、毛の長い白が基本で茶と黒が入っている猫ちゃんでした。猫ちゃんを見た感じは、凄く毛並みのいいきれいな猫ちゃんです。「猫ちゃんの種類は何ですか?」と聞くと「ラグドールです。」と大きな種類の猫ちゃんでしたが、見た感じではそんなに大きく感じませんでした。
ラグドール猫ちゃんは、比較的火葬の少ない猫です。
その中で一番大きなラグドール猫ちゃんは13.5キロもある猫ちゃんで火葬時間は大型の火葬炉で65分間も掛かった覚えがあります。
ラグドール猫ちゃんは、大体5キロ前後の猫ちゃんです。
今回の4キロは平均より少ないのかもしれません。
礼拝所でお葬式、火葬炉に寝かせて食べ物とお手紙、お花で飾ってお別れして点火を見届けた貰いました。お別れはラグドール猫ちゃんの足やお腹を擦って確りとお別れしました。
火葬は、チョッと大変かと思いましたが、やはり4キロの猫ちゃんですからそんなでもありませんでした。でも大きく燃え上がりを防ぐためにS火葬はすることに致しました。
やっぱりS火葬は効果があります。
点火してすぐに高燃焼で火葬を開始したのですが、全く燃え上がりません。通常に燃えている状態が続いています。
途中、温度がドンドン上がり始めて燃焼の強さが増している感じです。
このまま続けると黒煙の可能性もありますので、低燃焼にしてそれから、すぐに一旦燃焼のスウィッチを切って燃焼を抑えました。
2分ほどそのままにしてから、低燃焼、暫くしてから又高燃焼と段階を上げて火葬炉の温度を上げていきましたが、一旦温度を下げて脂分の燃焼を抑えて見たことが効を奏した模様です。
そのまま順調に火葬は推移して、火葬も終盤に差し掛かりました。
30分で火葬自体は終えることが出来ましたが、もう5分の精神で35分間まで火葬時間を延ばして火葬を終了しました。
お陰で、真っ白でとても綺麗なお骨に仕上がっています。
お客様のもとにそのままの状態でお持ちしました。お客様も「真っ白。」と言いながら覗き込んでいます。
火葬中、火葬炉の中を見たいといっていましたので、見せてやりましたが、キット大事な猫ちゃんの火葬が待ちきれなかったのかもしれません。
火葬したお骨を見て、綺麗に火葬できているのを見て安心した模様です。
お客様が覗き込んで色々と見ていますが、ここでまず最初にするのはお客様の申告して死亡原因をお骨で説明することです。
でも、お客様の言っていた「腎不全」の兆候はありません。
腎臓の所が全く色も変わっていずに綺麗な真っ白いお骨でした。
腎不全の症状があったのでしょうが、それ程凄い原因ではなかったのでしょう。
それより、この真っ白なお骨は17歳10ヶ月という長寿な猫ちゃんの勲章でしょう。
お骨の状態もお骨上げをしている状況を見ていると完全な老衰の症状が出ています。
老衰の特徴は、お骨が網にくっ付いていない事です。
お骨が若い猫ちゃんの場合は、火葬した下に敷いてある網の所にお骨が確りとくっついてしまいます。これは骨髄液が出てきて網にくっ付く現象です。
でも、老衰の猫ちゃんはこの骨髄液が無くなってしまっていて、網にくっ付かないのです。
今回のラグドールちゃんにはハッキリとその現象が出ていました。
お客様に「腎不全はそんなに強くなくて、老衰が死亡原因だった可能性が高いですよ。」と言うとこの骨髄液の話に納得して「良かったね。長寿を全うしたのね。」とホッとしているのがこちらにも伝わってきます。
お骨上げもしっかりと愛情を持って行われました。
小さなちびっ子も積極的にお骨上げに参加しています。
頭のお骨を奥様に手で入れてもらいました。
丁度骨壷の大きさも良い感じです。頭のお骨も一番上に綺麗に収まりました。
後は、顎の骨、仙骨、第1頚骨そして喉仏をご主人が入れてお骨上げ完了です。
お客様の綺麗なお骨に微笑んでいました。
骨壷はちびっ子の息子さんが受け取りましたが、骨壷を落とさないか皆さんヒヤヒヤです。骨壷はチビッ子が確り抱いてお帰りになりました。
今回のラグドール猫ちゃんは、まれに火葬する猫ですが、本当に毛並みの良い猫ちゃんでした。
ご冥福をお祈りいたします。
最後になりますが、このラグドール猫ちゃんは八王子市上柚木にお住まいの17歳10ヶ月でラグドール猫の長寿記録を打ち立てました。