多臓器不全のキンクマハムスターの火葬を致しました。
1歳4か月でしたが、大きなキンクマハムスターで145gもありました。26年5月4日に火葬したチロルちゃん3歳が150gで体重が最高ですがそれに次いでいる大きさです。
小さな籠に入れて連れて来てくれましたが、飼っている娘さんを含めてご家族の方々があまりにも心が優しそうな感じのご家族でした。
お葬式の告別式でお線香を立てる段になると、飼い主様は涙涙でした。
本当に大切にしていたのでしょうね。お経を読んでいるこちらにもヒシヒシとお客様のお気持ちが伝わってきます。
火葬炉には、お菓子とお花をいっぱい入れてお別れです。
キンクマちゃんの火葬はハムスターの中でも少ない方の部類に入りますが、火葬したお骨が大きいのでとても説明しやすいハムスターちゃんです。
火葬炉に載せてお体をサスサスして、お別れをして点火を見届けました。
火葬時間は、30分かかりました。「ハムスターにしては掛かり過ぎだね。」と火葬の担当者が言っていましたが、火葬炉を開けてその理由が分かりました。
ハムスーにしては、見たことがないようなお体についている燃えカスが尋常の量ではありません。ですから全てが燃え尽きるまで火葬すると30分は掛かるのでしょう。
お客様の元へ当然そのままのお姿でお持ちしました。
お客様もその燃えカスが多いキンクマちゃんを見てビックリしています。
私たちもこんなに多い燃えカスが残っているのは、初めてです。それ程多く残っているのです。
一番先に目が言ったのが、お尻の所にある青白い燃えカスの塊です。
「この子は女の子ですよね。」「はい。」「ここの青白い燃えカスって内臓が硬化してしまっている時や腫れが凄く出ているときに往々にして起きる燃え残りです。」「子宮が悪かったのですか。」「医者に行ったら『発情してしまっている。』と言われました。」
「この塊を持ってください。」と手の平の上に燃え残りを置いてやりました。「この塊を潰して貰えますか?」と聞いて塊を潰して貰いました。
「何ですが、この硬いのは?」「そうなんです。凄く硬いでしょう。」「これが腫れている時や器官が硬化してしまっている時に起きる燃え残りなのです。」「凄いですね。」この塊を潰しながらツブやいていました。
肋骨の中に細長の丸いグレーの長さ5ミリほどの塊も発見しました。
「これって肝臓ですよ。豆炭の燃え残りみたいなのが肝硬変の典型的な症状です。」「ホントだ。」「ここもですか?」と驚いた表情でした。
「実は、この子は多臓器不全でもう何回も死にかけた事があるのです。この前も死にそうになり酸素吸入器を買ってきて看病したら一時的に立ち直ったみたいに見えましたが、今回は駄目でした。」
「『お医者様は多臓器不全です。』と診断されていました。」「一度直ってみたいになったのは、私の気持ちの整理がつくのを待っていてくれたのだと思います。」ともシミジミ言っていました。
燃え残りもいっぱいありますが、お骨も確りと全部のお骨が残っています。
キンクマちゃんの頭や下顎、その顎の先に上に向いて反っている大きな歯があります。
頭のお骨の首元に第一頸椎、喉仏、首のお骨がつながっています。そして背骨、脇に肩甲骨も確りと分かります。肋骨の所の中に先ほどの肝硬変になった肝臓が収まっています。
そして背骨から骨盤に掛けては、灰色と茶色の混じっているような燃えカスがずっと続いて骨盤の中には先ほどのザラメ状の子宮の燃えカスです。
足のお骨も、その先の指のお骨も手をぐっと閉じたような形で残っていました。指先のお骨も確りと分かります。お客様たちは「この小さくても確りとしたお骨や燃えカスも全部骨壺に入れてお持ち帰りしたいです。」とご希望を述べていらっしゃいました。
心の整理が尽くまで待ってくれたキンクマちゃんです。
全部確りとお家へ持って帰ってご供養するつもりです。お客様は、カプセルや金粉春日の塗位牌もお買い求め戴きました。
家の中に確りとお祭する所を作ってご供養を続けることなのでしょう。
最後に頭のお骨が下顎も確りと付いた形で骨壺の中に入れることが出来て、微笑みが見えてきました。
自分たちの気持ちが入ったが出来る最大級のお見送りが出来た証拠なのでしょうね。家に帰ってからカプセルに少しお骨を入れるつもりなのでしょうね。
余りにキンクマちゃんの凄まじい多臓器不全の燃え残りを目の辺りにしてチョッと始めは引いてしまいましたが、心を込めてお骨上げをされた自身に溢れたお帰りになりました。
家族の皆様の心の優しさと、キンクマちゃんの対する愛情の強さをシミジミ感じたご葬儀でした。