新座市からいらしゃったお客様は予約時間よりチョッと時間が掛かって到着しました。
「新座からどの位時間が掛かりました?」と出迎えたスタッフが質問しました。「1時間半ぐらいです。」とお答えになって礼拝所の中にダンボールに入った猫ちゃんをもって入っていきました。
礼拝所でお葬式を済ませていざ火葬炉へ。
皆様緊張している様子です。
猫ちゃんを炉の上に寝かせて持参したお花や食べ物を入れてお別れです。「有難う。良く頑張ったね。」口から自然に言葉が漏れて来るようです。
確りと手を合わせて最後のお別れです。「猫ちゃんが炉の中で火に当たっても熱くならないように。お不動様の真言を上げさせて祈祷させて戴きます。」とスタッフが言うと手を皆さん合わせて頭を下げています。
火葬炉を閉める段にも「今まで有難う。」と声を発してお別れしました。
火葬開始してからまもなく、ご主人が「中を見させて貰って良いですか?」と言ってきました。
「どうぞ。」と覗き窓から中を見てもらいました。「あれが頭で、右側が背中です。」と説明すると「中は真っ赤ですね。でも、全く臭いも煙も出ていないですね。」とおっしゃいました。
「そうです。私どもは独自で火葬方法の技術開発を行い今は10種類の火葬方法がありますが、全く大丈夫です。」と答えると
「独自に開発したのですか。」とこちらに顔を見つめました。「近所の反対があるために必死で開発しました。」と言うと「そうだよね。そういう事になるんだよね。」と頷いていました。
お客様のお姿は、上下とも紺の作業服です。
その作業服姿が凄くお似合いでお顔もキリッと引き締まって見えます。
紺色の作業服は建設関係の人は、埃がすぐについてしまうので着ません。キッと工場の経営者でしょう。だから「独自に技術開発しました。」と言う言葉に頷いたのでしょうね。
お客様も必要に迫られて独自に技術開発を遣っている方なのでしょう。特に「廻りの反対の為に。」と言う言葉に「そうだよね。」と言ったのは「必要に迫られれば人間誰でも色々な事が出来るんだな。」と思ったのでしょうね。