今朝一番の火葬での事です。
お客様のお住まいに移動火葬で伺いました。
お客様は、すでに準備していらっしゃって私達を待っていてくれました。
シーズ犬4.8キロの立会火葬をご希望でしたが、お住まいの都合により他での火葬がご希望でした。お客様は私達の火葬場所について来てもらいました。
今朝から雨が降っているので、私達がいつも使っているトンネル上のボックスカルバートの道路です。ここなら雨は降ってきませんし交通量もすごく少ないです。
お客様も「ここなら雨は凌げますね。」と言っていました。
今回は、この場所に来てから申し込みを戴いて、火葬炉に載せてお花で飾ってお別れして点火を見届けて貰いました。
火葬中は、お客様は車の中でズット火葬の様子を見ていらっしゃいました。
大事な犬ちゃんだったのですね。お客様はジッと火葬炉を見て脇目も触れません。
でも、これからとっても悲しい出来事が始まってしまいました。
火葬中にスタッフが「頭のお骨が燃え尽きてしまっています。キッと歯周病でしょう。」と私に告げました。
この様に火葬中に頭のお骨が燃え尽きて亡くなってしまう事は、今までに何回もあります。この燃え尽きてしまう火葬って火葬しているスタッフもとても辛い火葬になります。
お客様には、火葬炉が開くまでお話はしない事にしています。
火葬炉を開けた時点で、この事実を確りと見ていただき、実際の事として認識して欲しいのです。
「火葬が終了しました。」とお客様にお知らせすると、すぐに車から降りてきてくれて火葬炉を開ける所から見守っていてくれています。
火葬炉を引出したお骨は、頭の所は燃えカスがありますが、丸い頭の形はありません。他の部所は確りとお骨が残って火葬炉に入れたままの形で出てきました。
お客様に「この子は歯周病がありませんでしたか?」とお話しすると「腎臓が悪かったのでその事だけで他に気がつきませんでした。」とおっしゃいます。
「口が臭くなかったですか?」とお聞きすると「アンモニアの臭いがいっぱいしましたが、腎臓が悪くなるとそういう臭いがする。と思っていて歯周病だとは思いませんでした。」
お客様はお骨を見ながら「頭の形は何となく分りますね。」と言いながら「そう言えば、1年ぐらい前から食べ物が食べられなくなってしまっていました。その為流動食を与えていましたが、その時から歯周病で食べられなかったのですね。」と涙ながらに話していましたが、お骨上げをしながらガッカリした様子です。
「『もう少し早く分って遣っていれば。』と思うと悔しい気持ちになります。」とも言いながら御骨上げです。「この子は、確りと生き抜いたのだと思いますよ。」「『お骨の状態が老衰みたいに網にくっ付かないでしょう。』これって骨髄液が無くなってしまっているので網にくっ付かないのです。」「ですから一生懸命生き抜いて命を全うしたのだと思います。」と言うと「そうですか。」
頭以外のお骨は確りと残っていましたし、喉仏も確りありました。そして後頭部の頭蓋骨の部分だけは残っていましたので、お客様はそれを一番上に載せて喉仏を骨壷に真ん中に入れてお骨上げは終了いたしました。
涙ぐみながら、時には嗚咽を抑えながらのお骨上げです。
お客様も辛いですが、私達も本当に辛いです。
お客様のお気持ちが確りとこちらにも伝わってきます。
3.3寸の骨壷に7分目位の量でしたがそのお骨を確りと胸に抱いてお帰りになりました。
いつもそうですが、
辛い火葬ってこの様な火葬の事を言うのですね。