8月の最終の火葬は、羽村市のハスキーちゃんの移動火葬でした。
前の火葬が終了して急いで伺ったのですが、20時20分を回ったところでした。このお客様はリピータのお客様で今回で3回目です。
到着してすぐに2階の居間に通されて事務処理をいたしましたが、今回は友達も来ているという事でハスキーちゃんが5匹もいました。
大きなハスキーちゃん達で、傍に来るとかなり威圧感がありました。
一番最初に伺った時は、大型犬の48キロもある犬ちゃんでしたので、家の前の道路では火葬しないで、迷惑の掛からない場所へ行って火葬をしてまいりました。
2回目からは、家の前の道路での火葬です。
今回もシベリアンハスキーの20キロでしたが、家の前で十分安全に火葬できるのでそこで火葬すると事に致しました。
家の中でのお葬式は皆様神妙にお経を聞きながら手を合わせていました。その中に当然シベリアンハスキーちゃんも5匹全部が参集してお経の時もそばにいました。
お経が始まると、時々そのお経の合わせるように「ウヲー。」と声を発します。
私のお経が何か犬ちゃんの遠吠えを誘うのかもしれません。
ハスキーちゃんの遠吠えと一緒にお経も終えることが出来ました
お経が終わると、下の火葬車まで皆さんの力で運んで貰いました。
今回は、男性陣もいっぱいいましたので難なく階段も下ろすことが出来、火葬炉に載せてから山のようなお花をいっぱいに飾ってお別れです。
最後のお焼香を皆様終了すると火葬炉の蓋を閉めて点火を行いました。
飼い主の皆様はじめ大勢の皆様が点火を見届けて戴きました。
点火しても、皆様車を遠巻きにして見学しています。
その時、煙突から一筋の火柱が上がりました。見ていた皆様から歓声が上がり、「ハスキーちゃんが天国に昇って行ったみたいです。」と言う声が聞こえました。
夜間の火葬では、火葬し始めに良くこの様な火柱が立つ場合があります。煙突から火柱が上がることは良いことではありません。
でも、この時ばかりはお客様の気持ちが一つになって火葬しているシベリアンハスキーちゃんの魂が天に昇って行くように見えたのも不思議な事でした。
夜間の火葬は、発電機の音が一番響きます。
今回は、お客様の自宅の脇の道路ですからお客様の自宅から電気をお借りして火葬してますので、この発電機の音が出ることはありません。
やはり静かですね。
チョッと気になるとすると、送風機の音が響いています。
それ程、大きな音ではないのですが、静かな住宅地ではこの「ヒュー。」という音でも少し気になりました。
お客様たちの声の方が大きいのですが、気にし始めてくると気になる程度です。
「お客様たちも割と静ね。」とこの程度の音なら安心しているみたいです。
シベリアンハスキーちゃんの皮下脂肪はかなりのものです。
火葬する方としては、この皮下脂肪はかなりの曲者で、要注意の火葬なのです。
特に夜間の場合は、この皮下脂肪に火がついてしまうと大変なことになってしまいます。
火葬を見ながら尽くずくハスキーちゃんの病状について話を始めました。
「一か月注射で持たせることが出来ました。」と言っていましたが、お腹の中の肝臓に腫瘍が出来て中を開いて手術しようとしたのですが、手の付けられない状態で閉じてしまったそうです。
それから1か月間薬で持たせられましたが、とうとう亡くなってしまったそうです。
皆様このハスキーちゃんを相当大切にしていたのでしょう。
顔にタオルで覆ってこの火葬風景を見ている人たちも可也いらっしゃいます。
火葬時間は95分間掛かりました。
火葬したお骨は、全く火葬炉に入れた形のままの姿で火葬炉から出てきました。
お客様たちも遠巻きにこの作業を見ています。
2回の居間まで、大型犬用のトレーに網もと載せて運びました。
明るい電気の下で良くお骨を見て見ると、肝臓辺りの所に一面腫瘍の痕が残っています。
「これが腫瘍です。」と言うと「こんなにいっぱい残るんですか。」と皆様感心しています。
お骨はシベリアンハスキーにしては、相当多くあります。
火葬炉に寝かせた体自体も大きかったのですから当然なのですが、お骨上げも6寸の骨壺にいっぱいでした。
特に頭が大きくて6寸の骨壺に斜めに入れたのですが、いっぱいで前と後ろが骨壺の側面に当ってギリギリに入りました。
大きいですね。
普通のシベリアンハスキーは、5寸の骨壺で殆どが済んでしまうのですからこのハスキーちゃんは特別です。
13人もいる大人数でのお骨上げは、皆さん代わる代わるお骨を骨壺に入れてあっと言う間に入ってしまいました。
お骨上げした骨壺を、ご主人にお渡しすると重そうに受け取りました。
このお客様も当園の火葬を気に入ってくれている皆様で、今回は友達も大勢いらっしゃっていましたのでこの雰囲気が皆様に伝わる事だと思います。
肝臓癌で手術も出来ない状態で、1ヶ月間の看病も大変だったと思います。
亡くなってしまった事は残念な事でしたが、看病から手が離れてこれからは、いままで通りの生活に早く戻ってほしいと念願しています。
大勢の皆様に見送られて荼毘に伏すことが出来て、大事な大事なシベリアンハスキーちゃんも天国へ向かって歩き始めた事だと思います。
どうぞ成仏してください。