お客様の予約のお電話で「ビーグル犬17キロの火葬をお願いします。」と予約を戴きました。
ビーグル犬は中型犬で一番気をつけて火葬しなければならない犬種です。通常は大きくて13キロぐらいですが、17キロは可也太っている火葬性があります。
準備を確りと行って準備万端で臨まなければならない火葬です。今回はs-14火葬で準備することに致しました。中型犬の火葬としては、これが最高でしょう。
お客様のビーグルちゃんを拝見すると、やはり思っていた通り「がっしりしていて、お肉もいっぱい、脂もいっぱい。」と言う感じです。
火葬炉に載せてみると良くわかります。不安も増してきます。通常の火葬方法だととんでもないことが起こる感じのビーグルちゃんです。
私どもは、以前まだ火葬を始めたばかりで、12キロのビーグルちゃんの火葬で大失敗をいたしました。
未だ、始めて1年位の経験の時でしたが、一旦火が点くとビーグルちゃんは火の勢いがドンドン強くなり全く操作不能の状態になってしまったのです。
煙突から黒煙が出っぱなしになり、それを止める術は持っていませんでした。そのため燃える勢いが弱まるまで待つしか方法がなかったのです。
そのビーグルちゃんと比べて今日のビーグルちゃんはモット凄いのです。今まで火葬したブーグルちゃんで最大です。以前23年4月2日に同じ17キロのビーグルちゃんを火葬しましたが、今回も同じ17キロですから。
ビーグルちゃんの平均体重って10.6キロです。
これは、私たちが火葬したビーグルちゃん84匹の平均です。10.6キロから今日のビーグルちゃんは6.4キロも多いのですね。
この様な大きなビーグルちゃんの火葬でも、大丈夫です。
私たちは、技術開発で編み出したS火葬があります。大型犬の脂の載ったのを火葬しているのですから大丈夫です。
心の中でそれを噛み締めて火葬に臨みました。点火してからも火の状況は全く問題ありません。さすがS火葬の威力です。
ビーグルちゃんの体からポタポタと脂が滴り落ちてきています。それが、ポタポタからぼたぼたに変わり流れるように出ています。
凄いですね。
さすがビーグルちゃんです。このビーグルちゃんの脂はとても燃えやすい脂分なのです。
でも、全く大丈夫です。火葬炉の炎は危険な赤黒い炎が出ていなくて透き通っています。赤黒い炎が出てくると要注意なのです。
その場合、まず最初にバーナーの燃焼を止めて自然に燃焼が弱まるのを待つことです。バーナーを切ることで急激な燃焼速度が落ちてきます。
それでも駄目な場合は、炉の中の燃焼を強制的に弱める方法を取らなければ過燃焼は進んで手の付けられない状況になってしまいます。私どもの技術は、その強制的な方法も開発してあります。
火葬炉の燃焼は順調です。
開始して25分が経過しますた。一端高燃焼から低燃焼にしていた操作を高燃焼に戻しました。
これは、燃焼の促進を計るために操作です。このビーグルちゃんが過燃焼をして黒鉛や臭いを出す心配がなくなりました。
そこで高燃焼へと踏み切ったのです。高燃焼を継続すると温度が上がり過ぎる心配があります。その為、自動運転に切り替えました。これで炉の中の遺体は時間が来れば綺麗なお骨になってくれます。
この自動運転操作で燃焼がドンドン進みますが、それと同時に滴り落ちた脂が受皿に溜まっています。この燃焼が今後の課題です。
高燃焼を自動運転で続けることに依って受皿に溜まった脂の燃焼も同時に始まりました。火葬炉の台の脇からもの凄い勢いでその受皿に溜まっていた脂も燃え始めました。
網の上では、肝臓が目につきます。
この子は肝臓が腫れていることが良く分かります。強烈な火にあたってドンドン燃えていますが、何か塔の脇からブロックが燃え落ちているような感じの燃え方です。
受皿の脂とこの肝臓を始めとする内臓、そして後ろにあるお尻の部分が燃え尽きてくれれがこの火葬は終了です。
時間の経過で、火葬炉の台の脇から大量の炎が噴き出していましたが、開始して55分で大量の炎はなくなりました。
「丁度60分でこの火葬は終了かな?」と思っていた所伏兵が出てきました。炉の後ろ右側からチョロチョロと受皿からの炎が出て来ているのに気が付きました。
この小さな炎でも脂分の燃焼です。これを止めてしまったりこのまま終了してしまうと強烈な臭いが出て来てしまいます。とても始末に悪いものです。
後、10分と思って70分の予定で燃焼を継続いたしました。
炉の脇からの炎がなくなったのが丁度65分でした。これで懸案だった17キロのビーグルちゃんの火葬も終了です。
火葬してお骨は、真っ白でとても綺麗でしたが、火葬中気が付いた肝臓の所に大きな腫瘍がありました。お客様もそれを見てビックリでした。
緊張して始めた特大ビーグルちゃんの火葬でしたが、無事に終了してホッとしています。