フラットコーテットレトリバーの火葬を行いました。
今回のフラットコーテットレトリバーは、体重が24キロの8歳のメスの犬ちゃんです。この子には、久しぶりに強制的に空気を注入した火葬で臨みました。
通常の大型犬の火葬は、最近S火葬が主流になりましたが、今回は24キロの比較的楽な大型犬でしたので空気を注入する事で黒煙を防止する火葬を久しぶりにやってみました。
夕方の18時30分に火葬炉の点火を致しました。
点火して暫くすると大型犬の特徴で、頭がずっとそっくり返ってきます。
それを、鉄棒でそっくり返ってくるのを止めるのです。
この止める作業をしないで火葬を継続すると、頭のお骨が真後ろに向いてしまうかと思うほどそっくり返ってしまいます。
このそっくり返ったままで火葬するととても無残な結果になってしまいます。
当園では、火葬炉から出てくる炎を肩甲骨辺りに当てるように火葬を行います。そうすると頭のお骨が前にうな垂れるように前に首が向いてくれるのです。
この前にうな垂れるように頭のお骨がなった時は、とても火が綺麗に頭の中に入り込んで頭の中まで綺麗に短時間で火葬が終了する事が出来るのです。
所が、そっくり返ってしまうと日は胸に当るようになりますので、燃えずらいお尻の部分に火が届かなくなってしまっていくら時間を掛けて火葬しても骨盤の辺りのお肉が黒くてザラザラしている燃え残りになってしまうのです。
この黒くてザラザラしている燃え残りの部分は、火がお骨の陰になってしまった部分で良く起こります。その燃え残りの部分を出さないようにするためには、一番先に頭がそっくり返ってしまうのを防ぐ作業が必要なのです。
鉄棒で頭が反らないように押さえていて暫くすると背中の部分が火によってキレメの様な感じの裂け目が出てきます。
こうなるとこの頭のそっくり返っていたのが元の位置に戻り始めるのです。
戻ってくれてから「火葬が開始された。」と言っても良いほどこのひっくり返り対策はその後の火葬に大きく左右する一因なのです。
これは、火葬開始してすぐに起こり、3分後位には終わっています。
今回この頭が元に戻ってから火力がトンドン強くなり、この時点で強制空気の注入の序盤戦の1次火葬炉の空気供給口も全開に開きました。
大型犬の火葬です、この一次火葬炉の口を開いたぐらいでは、その後の火力を弱める事は出来ません。当然1次火葬炉と2次火葬炉の点火スイッチは切って自然燃焼になっています。
火葬開始して6分後の18時36分には強制空気の注入を開始いたしました。
最初は、装置の空気量の数値は3段階の一番下の1から始まります。
それから6分後の18時42分には、空気量の数値も一番空気量の多い3に致しました。
それは、煙突からチラチラと火柱が出て来始めたからです。
これからが、脂出し作業です。
空気量の一番多い3にしてからすぐに1次火葬炉の温度は、915℃から徐々にゆっくりと下がり始めました。
それと同時にクスぶっている臭いが火葬炉からして参りました。
これは、火葬炉の入口から向かって右側のボーダーにして煙が漏れるのを塞いていたボーダーの耐熱マットが取れてしまっていたからです。
チョッとの所でこの様な臭いの出る要因になってしまいます。
今回火葬している場所は、少しぐらい臭いが出ても全く問題ない場所でしたのでそのまま継続しつづけました。
この一次火葬炉の温度が下がり始めて900℃までの間は、燃え広がって行こうという勢力と空気の強制注入によって燃え方が抑えられた部分が激しく対立して温度の下がるのがゆっくりなのですが、この18時45分の900℃からは抑える力が増してきて急激に温度が下がり始めました。
18時47分、868℃の時点で一次火葬炉を点火、点火後も温度は下がります。
865℃からは、温度が上がり始め953℃で煙突から火柱が出始める兆候がありましたので18時50分に一次火葬を消火致しました。
5分間消火したままで自然燃焼を続けて810℃の18時55分に点火。暫く温度は下がり続け793℃から上昇致しました。
火葬炉の燃焼は、とても綺麗な燃焼になってきました。
19時00分にこの脂出し作業は終了して910℃になった一次火葬炉の燃焼を低燃焼から高燃焼に切り替えて本格的な燃焼体制に入りました。
これからは、自動運転です。
1130℃の上限温度を設定していますので、1123℃で高燃焼が終了して低燃焼に戻ります。
温度がそのまま上昇して1130℃手前の部分で温度が下がってくれれば低燃焼のまま燃焼は継続いたします。
低燃焼になっても温度が上昇し続けて1130℃を超えると燃焼は完全にストップして自然燃焼になり温度の下がるのを待つのです。
今回は、高燃焼から低燃焼に切り替わって温度の上昇が1130℃を超えませんでしたので低燃焼のままの継続して1112℃まで下がった時点で高燃焼に戻ります。
その周期を2回ほど経過してから実際の周期を計る事に致しました。
- 23秒
- 1分5秒
- 1分6秒
- 1分9秒
- 1分16秒
- 1分20秒
この時点で強制空気の注入を終了して後は、自動燃焼を継続しながらの火葬です。
自動燃焼を繰り返して19時40分に火葬が終了したしました。
所要時間は、1時間10分でした。
久しぶりの強制空気の強制注入火葬でしたのが、火葬炉の不備が分かったので至急修理をしたいと思っています。夜間の火葬では火柱が上がるのが問題です。
この火柱対策にこの強制空気の注入火葬は役立ちますので、「時々この方法を使った火葬をした方が良いのかも。」と思った次第です。
無事に終わって今日の1日の全部の火葬は終了したしました。