フェレットちゃんのシッポって真っ直ぐ伸びていたのが、火葬を始めて火が入った瞬間からグルグルと丸まりました。
その丸まった尻尾は上に向って二巻き位になっています。
火が段々強くなって来ると尻尾の先っぽから焦げだして巻き方も少しずつ締まってきます。
フェレッとって真っ直ぐに体が伸びた状態で火葬炉に入れても、火が入って来ると直ぐに丸くなる性格があるのでしょうか。尻尾だけでなくて体も丸まってくるのです。
ですから、綺麗に火葬する為には、この丸くなった状態で火が一番良く当るように頭の位置やお腹の位置を確りと決めてやる必要があります。
今日もここで一端鉄棒を使って体の位置を整えてやりました。
頭に直接火が掛かるのを少なくするために体をずらして、お腹に確りと火が当るようにするのです。
この位置の決め方が非常に大切です。
訳は、この一回のフェレットちゃんの位置決めでそれ以降はフェレットちゃんの体に一切触れないで火葬することなのです。
ですから、この唯一回の位置決めをしてその位置からフェレットちゃんが動かないか如何か確認できるまで良く見ていることが必要です。
頭の位置は炎の出口より少しずらしてありますが、火葬中に炎の出口の方に頭が少しずつ寄っていく場合もあります。
そのために、頭の位置は少し寄って行っても大丈夫な位の余裕を持って炎の出口よりいくらか遠ざけておく必要があります。
お客様に、綺麗でご満足が戴けるようなペット火葬をする事が絶対条件があります。それは頭が綺麗に残る事と、頭のお骨の中まで確りと燃え尽くすまで火葬を継続することです。
その天、頭を少し炎から横に遠ざけ過ぎると頭の中が燃え尽くすことが出来ません。近すぎると頭が炎の通り道を塞いでしまって、今度は他の部分に火が回らなくなってしまうので火が当らない部分の燃え残りが出てしまいます。
この頃合が難しいのです。
私達、火葬場の社員はペット火葬が確りと出来て、お客様が喜ぶお顔に接したいのです。
お客様の元にトレーに載せて火葬炉に入れたままの姿でお骨になっているフェレットちゃんを見てお客様から「綺麗なお骨ですね。」とか「真っ白・・・。」「わぁ、そのままだ。」「〇〇ちゃんだぁ。」と驚嘆の声を戴けるのがとても励みになります。
私達のペット霊園では、火葬したままの姿でお客様の前に運びます。上手くできた場合でも上手く出来ない場合でも必ずそのままの姿で見てもらうことにしているのです。
いつも、綺麗に火葬できるとは限っていませんが、火葬技術の練磨に寄って今ではどのペットの火葬でも安定的にいつでも綺麗に火葬することが出来るようになったのです。
お客様がそのままの姿を見て、お骨の状況を確認して、時には病状がそのままお骨に出ている場合もあります。
この様にそのままの姿でお客様の前に出せる様に、一度だけしかフェレットちゃんの体に触れないようにしています。
今回も火葬時間は、35分間と猫ちゃんを同じ時間が掛かりました。
確りときれいに火葬するには、この位の時間を掛けて火葬しないと綺麗な火葬が出来ないから時間的な妥協は一切致しません。
火葬したお骨の、腎臓廻りが黒くなっていました。
そこが悪い所だと思います。
お客様は、お骨の説明に確りと頷いて聞いていらっしゃいました。喉仏も綺麗に残っているました。
2.5寸の骨壷に入れてお持帰りいただきましたが、お帰りは確りとした足取りで満足そうな表情で「ありがとうございました。」と丁寧に頭を下げてお帰り戴きました。
火葬中丸まってしまった尻尾は、お骨になっても丸まって残っていました。