今日のシーズ犬の火葬は、とても悲しい火葬でした。
通常に火葬炉に入れて火葬する所までは同じです。
シーズ犬は、5.4キロだとお客様は言っていましたが、普通の大きさのシーズちゃんでした。
このシーズ犬が後で大変な事になる事は、その時は全く気が付いていませんでした。
移動火葬でしたので、ペット霊園みたいに風よけがないので火葬中も風が強くて煙突から風が入ってくるのですが、かなり強い風の時は除き窓から逆流して炎が飛び出してきます。
今回も、その様な様子でしたので覗き窓を閉めて火葬を行いました。
今回も、シーズちゃんがちょっと大きめでしたのでS火葬を行っています。
この火葬方法は、燃えにくくする火葬法なので火葬炉の温度はあまり上がって行きません。
順調な火葬が始めからずっと続いています。
風が強いせいか、その風に載って風下になると暖かい空気が顔に来ることもありますが、臭いは致しません。でも生暖かい風って厭ですよね。
S火葬も30分ぐらいすると通常の火葬に戻りますので、そこからはドンドン燃えていきます。火葬炉の中は真っ赤な炎でいっぱいです。
凄い順調です。
順調ですが、本来風が強くない場合は除き窓をかなり開けながら火葬をするのですが、風が強いためにずっと除き窓は閉めたままの火葬です。
時間も40分もすると少しいつもと違うのに気が付きました。
お骨が少ないのです。
「少し変だなぁ。」と思いながらも、お尻部分の燃え残りを確りと燃える様に火葬炉の空気調整をして火が奥まで届くような事を致しました。
45分ぐらいで大体燃え残りがなくなりましたので、後5分火葬して終了に致しました。
これから火葬炉を開けてビックリなのです。
そうなんです。
頭が程んどないのです。
歯周病では、頭の立体感は無くなってベタっという感じでお骨がグズグズになって見えるのですが、今回は跡も形もありません。
頭の部分が全く見当たらずに、天辺のお骨と上顎の奥の方のお骨少し残っている程度です。
頭のなくなった下には、何故か大きなカスが塊りになって燃え残っています。
下に前足のお骨があるので胸の所でしょうか。
喉仏は前の手を合わしている所がなくなっていますが、しっかりとあります。
そこから下は全く問題がない火葬状況です。
お客様は、「良く残ったね。」と平然としていらっしゃいました。
このシーズちゃんは、大きい時に10キロもあった犬ちゃんだったらしいです。
そして、お客様の説明によると「医者にも骨が溶ける病気だと言われました。」と言っていました。
あまり、シツコク聞けないので、「どんな名前の病気ですか?」と聞くことは出来ませんでした。
シーズ犬ですから、通常は4寸の骨壺が必要ですが、今回は3.3寸の骨壺に入ってしまいました。
お客様は、火葬する前から分かっていたのですね。
「『色々悪くてもう骨もボロボロかも。』と思っていましたから。」とお客様はお骨を見ながら言っていました。
私達にとってはとてもショックでビックリしましたがお客様にとっては「良く残ってくれた。」と云うのが本当の気持ちだったんですね。
お客様にそういわれてホットした気持ちになりました。