火葬炉の受け皿を自分で作りました。
その受け皿を使い始めて109日で受皿の引出し側の立上りの部分と底板部分の所に亀裂が出来て穴が開いてしまいました。
そこの修理をしなければ立ち上がり部分の摩耗が酷くなってこの受け皿の耐久日数に甚大な影響が考えられます。
丁度、本日は朝からの火葬が入っていませんでしたので、この受け皿を修理しようと霊園に到着してすぐに始めました。
受皿の修理は、始めると2時間位はお客様を取ることが出来ません。
確りと終わらせてからでないと、中途半端になってしまうとかえってこの受け皿の寿命を短くしてしまします。
109日で立ち上がりに亀裂が出来てしまったのは、あまりにも早すぎます。この受け皿は何回も1000℃の温度から30℃位まで行ったり来たりします。
この1000℃から急激に温度が下がる事に依って、受け皿の鉄が段々硬くなってきます。500回も使い込みますと鉄がハガネになって来て穴をあける事も出来ない位に固くなってきます。
そうすると、鉄の表面が強くなって摩耗しなくなってきます。
未だ100回程度ですと、鉄も柔らかくて補強してある部分としていない部分に力の歪が出来て亀裂が入ってしまったものだと考えられます。
ここで、その亀裂の部分に鉄筋棒を当てて溶接で立ち上がりと底板に溶かして補強していきます。可也鉄棒を溶かせておきますと、その部分が強くなりますのでもうこれでこの部分の補強は要らないと思います。
最近、受け皿を引っ張り出すときに受皿が捻じれてギッタンバッコするのですが、かなり捻じれてしまったのかと思って受皿を裏返しにしてコンクリート面に当ててみました所それ程の捻じれは起きていませんでした。
火葬炉の中で真っ赤になった受皿は、引き出すときに少し捻じれてギッタンバッタンした後、自然に又元のように捻じれて高くなった部分が下がって元通りになるようです。
殆ど捻じれていなくてびっくりしたくらいでしたので。
受皿の修理も2時間位で終了しました。
チョッと溶接が剥がれてしまった箇所を調べてその部分も溶接で確りとくっ付けて受皿が完成です。火葬できるようにマットを新しいのと取り換えて、網を置く台の耐火煉瓦も上にこびり付いたものを砥石で取り除いて網が平らにおけるようにもいたしました。
こうして、受け皿の修理も自分で出来るので、費用も掛かりません。
これを業者に頼むとどの位掛かるか、受け皿を新たに購入した方が安いかもしれません。
お客様に出来るだけ、ご無理を掛けないように大衆価格を貫くためには、この様な事は当たり前です。
この後、使ってみるととても確りと溶接も出来ていて使いやすかったです。
今回の受皿は、今まで立上りの部分に三角の板で外に倒れ込み防止を付けていましたが、今回から付けていません。立ち上がりの部分の板を3重にすることで横の倒れ込みについても剛性が付いているので付けませんでした。
この事も受皿の内部の広さを少し多く取ることが出来て、火葬中の網の移動がしやすくなり、遺体の燃え具合の微調整もより出来る様になりました。
少しずつではありますが、チョッとした改良の積み重ねでより良い火葬とそれに伴う原価の低減に役立っている事だとおもっています。