火葬したお骨の立会火葬でお骨上げの最中の事ですが、頭のお骨をグズグズにしてしまいました。
この猫ちゃんは16歳のキジトラ猫ちゃんオスでした。
火葬したお骨は太くてとても量があり、通常の猫ちゃんの骨壷には入らない大きさでしたので4寸の骨壷に入れることにいたしました。
「この子は、以前は野良猫でしたが、ボス的な存在で相当大きかったキジトラ猫ちゃんでした。」と言っていました。でも当園に連れてきたときは2.5キロと普通サイズの猫ちゃんになっていました。
火葬すると分かりますね。
背骨が太くて大きいのです。もとは相当大きいくて強い猫ちゃんだったんでしょう。火葬した後のお骨の形も頭から、首の骨、背骨、骨盤、尻尾、脚の骨、そして指と弓形に曲がった形で綺麗に火葬炉の網の上で並んでいます。
そのままの形でお客様の前に出して見て貰いました。
頭のお骨が全く綺麗にそのままの形で残っていて、「目の所に癌があり歯周病もありました。」と言っていましたが、目の所の癌の燃えカスはありませんでしたし、歯周病の猫ちゃんの顎のお骨が溶けてしまっていることもなかったです。
唯、お骨の色合いや燃えカスから推察すると肺の周りが色が付いていて悪い所にある症状が出ていました。
この猫ちゃんのお骨は真っ白でとても強い感じのお骨でした。
お客様も、大事なキジトラ猫ちゃんのお骨を説明を聞きき終えてからお骨上げをいたしました。
お骨自体が大きい猫ちゃんでしたから、4寸の骨壷に半分以上入った時です。
お父さんが行き成り箸でキジトラちゃんの頭を持ち上げました。その瞬間頭は木端微塵に崩れてしまってグズグズに割れてしまいました。
アッと、声を皆さん出しましたが、お骨はもうグズグズです。
「ごめん、ごめん。」お父さんが謝っていましたが、如何することも出来ません。
チョッと耳の悪い方でしたので、お骨上げの説明の時に「頭のお骨は最後に手で持って入れてください。」と説明したのですが、聞こえなかったのかもしれません。
皆さんチョッとショックを受けたようでした。
お父さんの謝る声以外、皆さん黙ったままの状態で頭の崩れてしまったお骨を骨壷の中に入れています。
入れ終わってから、こちらで頭の形に少し整えてやりましたが、綺麗な頭はもうありません。
顎のお骨を入れて、最後に喉仏を頭の正面に置いてもらいました。
これで、お骨上げが終了いたしました。
頭のお骨が崩れてしまっていても、4寸の骨壷に七分目程あり大きな強いお骨の猫ちゃんだったことが忍ばれました。
唯、頭のお骨を箸で持って入れようとしたためにグズグズに割れてしまいましたが、耳の悪い方にはもう少しゆっくりと丁寧に説明をしてあげた方が良かったと反省しています。
この経験から、今後はゆっくりと「お骨上げで頭を入れるときは箸を使わずに手でもって入れた方が良いですね。」と皆様にお伝えしていきたいと思っています。
お帰りになるときは皆様丁寧に頭を下げて「有難うございました。」と言ってお帰りになりましたが皆様のいつもある笑顔はありませんでした。