シーズちゃん15歳8ヶ月の火葬は、とても辛い火葬になってしまいました。
火葬していて辛い火葬ってあるんです。
お客様の大切なペットの火葬をしていて頭のお骨が溶けてなくなったようになってしまう火葬があります。
火葬中に頭のお骨が見当たらなくなってしまう火葬は、本当に辛いです。
今回のシーズちゃんもその辛い火葬になってしまいました。
お葬式や火葬炉でのお別れには、お花や食べ物やお写真などを一杯入れてお別れを致しました。お客様に「火葬炉に点火させて戴きました。」と言って拝礼をして火葬の開始を宣言してから火葬をいたします。
始めの内は、順調に火葬を続けていました。
死亡原因は腎不全と言っていましたので、まず問題ない火葬になるはずでした。
所が火葬して25分ぐらいした頃からでしょうか。
頭のお骨が小さくなっていくのが分ります。もしかすると歯周病かも知れません。
30分ぐらい過ぎた時にお客様に、「この子は歯周病が凄くありませんでしたか?」と聞きに行くと「はい。歯周病でお口の中も凄くて。」とおっしゃいました。
お話に依ると、お口から血を流していたとも言っていました。
「やっぱり。これは大変なことになります。」火葬炉の中のシーズちゃんの頭がドンドン小さくなっていくのがわかります。
歯周病と聞いて頭のお骨が軟骨化してしまって、火葬するとその部分が燃え尽きていってしまいます。この時点では如何する事も出来ません。
頭の事は考えないで、他のお骨が綺麗に火葬出来るように火葬を進行することにいたしました。
でも、そう考えていても辛いですね。
お客様の立場に立ったら、頭のお骨がなくなってしまうのですから。
火葬時間は、35分間で終了しました。
火葬炉を開けて一番先に気にするのは、やっぱり頭のお骨です。
見てみると、首のお骨から下は確りと通常通り綺麗に火葬出来ています。
しかしながら、頭のお骨は顎の部分から前が歯が並んでいるので、そこに顎があったと分りますが、顎のお骨はありません。
そして上顎の部分からお鼻の部分に掛けてはありません。
頭の部分も後ろの下側はありましたが、ほとんど円形に膨らんではいずに僅かに1センチ程の厚みがありますが、平面的にあるだけで立体的ではありません。
お客様も、「酷い歯周病でしたから。」と言っていましたが、ハンカチをお鼻の部分に当てて涙を抑えていましたが、さぞ辛かっただろと思います。
このような辛い火葬を過去4回経験しましたが、今回で5回目です。
歯周病は、恐ろしいと思っていましたが、今回も目の当たりにして尚更恐ろしさと恐怖を実感しました。
後、腫瘍が肝臓から腎臓辺りにありました。
唯救われたのが、喉仏が確りと綺麗に残っていたのと他のお骨が真っ白で綺麗でした。
歯・足の指・尻尾をテッシュに包んでお持ち帰りになりましたが、やっぱり辛そうな後姿が目に焼きついています。
大事な大事なシーズちゃんのお骨を目の当たりにしてさぞ辛かっただろうと推測いたします。
お客様は、「有難うございました。」と深々とお辞儀をしてお帰りになりましたが、どうぞこの辛いお気持ちを乗り越えて欲しいと思っています。
それにしても、辛い火葬でした。