今日の猫ちゃんの火葬は、思った以上の時間が掛かりました。
普通の14歳で2キロで雑種猫ちゃんでした。
通常でしたら35分で十分火葬が終了する猫ちゃんです。
所が、この普通の猫ちゃんの火葬時間が45分間も掛かったのです。
40分位時間が掛かる猫ちゃんはいますが、45分も掛かる猫ちゃんは特別です。
時間が掛かる原因はいくつか考えられますが、
第一にドライアイスでカチカチに凍らせて保冷してくるお客様の猫ちゃんは時間が掛かります。
それは、火葬炉に入れてこのドライアイスが溶け出すまでの時間が掛かるからです。カチカチに凍っている猫ちゃんの始めは、火が当っているのですが一つも燃え出さないでそのままの時間が相当掛かります。
火がつき始めてしまえば、普通に火葬が出来るので概ね40分位で火葬は終了します。
続いて、脂分の多い太っている猫ちゃんです。
この脂分の多い猫ちゃんは、火葬に入る前に脂を搾ってやらないと過燃焼を起こして黒煙が出てしまいます。
そのために、脂を搾って上げる脂だし火葬をしてから燃焼に入ります。
この脂を搾り出す作業は、1次火葬炉の燃焼を止めて自分自身で脂が出てくるのを待つ火葬になります。
そのため、脂だししている間は、ゆっくりと時間を掛けて脂分が燃え尽きるのを待つ火葬になります。脂分が燃え尽きてからは通常の一次火葬炉に点火して燃焼を続けていくことになりますが、脂が出るのを待っている時間が掛かる為に時間が掛かります。
そして、今回の猫ちゃんの様に2キロの痩せている猫ちゃんですが非常に筋肉質の猫ちゃんの火葬は一次火葬炉の火をずっと点けっ放しにしているの時間が掛かります。
筋肉質の猫ちゃんは、それだけ確りとお肉が付いているのです。
一見直ぐに火葬が終わりそうで終わりません。この様な場合は熟練していないスタッフですと時間を気にしてしまって火葬が終了していないのに終わらせてしまう事が往々にあります。
この様にお終いにしてしまったお骨は黒ずんでいたり、燃え残りの黒い燃えカスがいっぱい残っていたりします。
この筋肉質の猫ちゃんの火葬は、火葬している人が素人なのか熟練している人なのかはっきりと火葬したお骨に出てしまいます。
火葬を始めたばかりのスタッフは、時間ばかりを気にしてしまってじっくりと火葬が終了しているかどうかの判断が出来なくなってしまうのです。
そのため、真っ黒いお骨をお客様にお渡しすることになってしまいます。この時のそのスタッフの言い草は「余り時間をかけるとお骨が溶けてしまって残らなくなリますので。」と弁解する始末です。
2キロ位の猫ちゃんで時間が掛かるのはこの3種類ぐらいですが、火葬が本当に終了するまで中々待てないものなのです。
私たちも、火葬を始めた頃はこのような失敗を致しました。
この様な失敗をしながら火葬技術が向上してきた訳ですが、今考えると火葬を始めた10年前のお客様にはすまない思いがあることは事実です。
今回の猫ちゃんの火葬したお骨は、真っ白でとても綺麗に仕上がりました。
腎不全と病名を言っていましたが、肝臓の下の部分にお薬がいっぱい溜まっている部分がキッと腎臓あたりだったと思います。
又、肺に腫瘍も見つかりました。
小さな腫瘍でしたが、この腫瘍も死亡原因だったのかもしれません。
大きい時は5キロもあったと言っていましたが、ここで2キロまで痩せてしまったといっていました。
これは、腫瘍が原因だと思います。
悪性の腫瘍である癌だったんでしょうか。
今回、45分も時間が掛かってしまいましたが、綺麗に火葬が出来てお客様もご満足顔でした。
じっくり時間を掛けて火葬する技量があるか、どうか試されたような火葬でしたが、「お客様の有難うございました。」という一声で自信を深めた火葬になりました。
お客様のご満足してくれたお顔を拝見して嬉しく思った次第です。