西側の道路境の所でお花のお水をあげ観察している所に一台の車が止まりました。
14時のお客様にしては、45分も早いので「お参りですか?」と聞くと「14時の予約のKです。少し前に来てしまって時間つぶしをしていたのですが、来てしまいました。」と言う返事です。
丁度移動火葬で出掛けていて今さっきペット霊園に戻った所です。「大丈夫です。どうぞ駐車場へ。」とご案内して駐車場に停めて貰いました。
川崎市の川崎区からでは、時間通りに来ようと思うとどうしても早く家を出てしまうのでしょうね。でも遅れるより良いですね。
セキセイインコちゃんは、青と白の綺麗なインコちゃんでした。小さな箱に入れて連れて来てお骨は持ち帰りのお客様です。
礼拝所でのお葬式もお線香を上げるだけで、火葬炉にいらっしゃいました。奥様が手の上に載せたセキセイインコちゃんを手渡してくれました。
これから、スタッフの私たちがセキセイインコちゃんをお布団の上に慎重に載せて火葬位置を決めます。お客様は、そのお布団の周りにお花を載せて飾っています。
「これ霊園で咲いているお花のですが、一緒に飾ってやってください。」とお花の入った籠を手渡すと「有難うございました。」
お線香も火葬台の上に置いてもらって最後のお別れです。皆さん優しくさすってからお別れをしていました。
火葬を開始してからは、このセキセイインコちゃんは火葬したお骨が綺麗に残るように横向きに寝かせてあったのですが、うつ伏せになってしまい、頭を持上げ火葬炉の中で座った形の姿勢にになってしまいました。
これは、一大事です。
ちょっと見には、セキセイインコちゃんが立ってしまって上を向いているように見えます。頭がお布団の上に2センチ位上がっています。
問題なのは、火葬中、この頭の位置がどのように変化するかです。火を被りながら平然と座っているような感じにも見えています。
10分程して、燃えて白くなって来た頭のお骨が動きました。頭が火に向かって後ろ横に落ちてくれました。良かったです。
この変化が起きる2分前に燃焼も高燃焼から低燃焼に切り替えて、頭のお骨が下に落ちても飛ばないようにするために準備していたのですが、危機一髪で功を奏した形になりました。
頭は胴体の裏に行ってしまいました。これで風に吹き飛ばされなくて済みます。これからはじっくりとお骨を燃焼させる事だけに専心すれば大丈夫です。
火葬時間も25分で終了。
火葬したお骨は、真っ白でした。個別一任火葬のお客様でしたが、折角川崎市川崎区からお越しなので火葬炉の脇で火葬したままのお骨を見てもらう事に致しました。
お骨を説明すると「こんなに綺麗に全部残るんですね。」「これが頭、この前に着いているのがクチバシ。」「このお骨たちの一番上に着いているのが喉仏です。」と説明するともう一度「こんなに綺麗に残るんですね。川崎区から2時間掛けて来た甲斐があります。」と言っていらっしゃいました。
お骨はスタッフが拾ってお渡しいたしましたが、頭とクチバシが離れないで骨壺に入れることができました。
骨壷に詰めたお骨をお客様にお渡しすると、「未だ2匹いますので、その時はまたお願いします。」と言われました。