川崎市川崎区からのお客様でした。
「2年前に家の庭に1メートルぐらい掘って埋めたのですが、火葬して埋葬をお願いします。」と予約のお電話を受けました。
「当日掘り返してみると案外浅かったです。
ラブラドールは原型が分らないようになっていました。土も一杯ついたままですが、取れないのでついたままでお願いします。」と本日午前中に電話がありました。
霊園に着いた時は、ビニールの袋に入れてあり頭がどこかも分らない状態で、そのままご供養して火葬炉に載せてお帰りになりました。
このラブラドールの火葬は、本日の一番遅い時間に本社の方に行って行う予定です。
2年位前に土葬したのでは、原型がそのまま残っていると思っていたのですが、ビニールの袋に入っているのを外から触って見ても何処が頭か良く分りません。
「案外浅い所に生めてありました。」と言っていたので空気に接触するような感じで埋めたあったのでしょうか、それとも落ち葉などが一杯ある場所に埋めてあって空気に触れることが出来たのでし
本当に土の中に密閉状態になった場合は、中々腐敗することがむすかしくて中々この様な状態にはなりません。
段ボールの箱にビニール袋に入れて連れてきてもらいましたが、男性二人がかりで持ち上げていました。チョッと手伝ったのですがとても重く感じました。
お客様は、礼拝所でお葬式をして共同墓地へお参りをしてお帰りになりました。
火葬は、本日の最終の立会火葬が終わった後で本社の方に車を移動して行いました。
点火してすぐに出てきたのは、土ばかりです。
お客様は「土も付いていますが、取れないので付いたままお願いします。」と言って了解したのですが、これは土の塊を火葬している状態です。
湿っていて、粘り気があって、「これって燃えますか?」と一瞬たじろぐ代物です。暫く点火したままの状態にしてじもんちおきましたが、火が土に当たっている感じです。
土の中に鉄の棒を突っ込んでみました。中ならビニールが出てきたりしています。山なりになっている土を平らにすることから始めました。
火葬炉の扉を開けて平らに土を広げて行きます。平らになった所で扉を閉めて前から火の通り道を作りました。
暫くすると、土の表面が赤くなって来ました。土が燃えています。「土って燃えるの?」と自問自動です。土って燃えるのですね。
これは、土に含まれている有機物が燃えていて無機質だけが残るのですね。
30分ぐらい経過して、その土の中に鉄棒を挿し込みました。土の中には黒いすす状の燃え残りがあります。
始めは重たかった土も軽くなって来ています。土の水分や有機物が無くなって軽くなったんでしょう。これから土の表面の赤くなった土と中に入っていて燃え残っている土を上下入れ替え作業に掛かります。
土の中に入っているお骨が燃えているのも分かります。
途中、10センチぐらいの火柱が燃えている土から上がっています。これはラブラドールちゃんの遺体が燃えているのです。
燃え尽きるまでの作業は、持久戦みたいな感じです。
下の土を上にしてその土が真っ赤になって燃え尽きたら、また下の土を上にして燃えさせるのです。
普通のラブラドールちゃんの火葬の方が時間が短く感じます。
何回も何回も下の土を燃えるように上に持ち上げて燃やしていきます。
こうして土から出ている炎がなくなるまで続けました。
火葬時間は80分です。石は真っ赤になっています。また一番下の土は固くなっていてレンガみたいな感じになっていました。
火葬を終了してからが大変でした。
土とお骨の選り分けです。頭のお骨は確りとそのままの形で残っていました。下顎のお骨も歯が確りついた形で火葬が終了しています。
焼けた土は、茶色の純粋な色をしていました。その焼いた土を容器に入れて土の中に混ざっているお骨を拾い出す作業も大変でした。
本社の近くで火葬したので、いったん本社に戻って1時間位熱を冷ましたから土の中のお骨を拾いましたが、土の温度が中々下がらずにお骨を拾っている手が火傷しそうに熱くなって暫く様子を見ながらの作業でした。
お骨が拾いあがり土の処理も大変です。
土って熱が中々冷めないのですね。もう大丈夫かと思って網の中に詰まっている細かい土を掃除機で吸い取る作業で3回も掃除機のホースが熱で詰まって駄目になってしまいました。
その都度、その部分を切ってつなげて若干の時間をおいて掃除機で吸い取る作業を繰り返しました。
やっとお骨の選り分けと土の処理が終わったのがお骨の選別作業を開始して1時間もの時間がかかってしまいました。
お骨上げしたお骨は、2年間も土の中に入っていたので火葬したお骨も茶色い色のついているお骨でした。
拾い上げたお骨の量も6寸の骨壷に8分目ぐらいありましたので、通常のラブラドールちゃんのお骨と変わらない量でした。
それにしても、大変な火葬と土の処理、そしてお骨上げでした。