「オカメインコなんですが、火葬してもらえますか。」と突然電話が掛かってきました。「今から一番最短で火葬できる日時は?」とのご質問でしたが、本日は比較的空いていましたので、「本日なら18時30分からなら大丈夫です。」とお答え致しました。
通常の予約では、16時以降は当日の夜間火葬の予約は取らないことになっていますが、丁度17時からの火葬がありますので18時30分でしたら前の火葬が終了してすぐなので入れることが出来ると判断したのです。
お客様は、鎌倉の方で今から八王子に行くのに2時間掛かるので、明日と明後日の空き具合を確認してからチョッと相談するといって電話を切りました。
15分程して、またお電話を戴き本日の19時からお願いしたいとの返事でした。
16時を回っているので当日の夜間火葬はしない方針ですが、ワザワザ鎌倉からいらっしゃるのですから予約を受けることに致しました。
それにしても、鎌倉からは有難い事です。
これで鎌倉市からのお客様は、3件目になります。今までの2件はセキセイインコちゃんと猫ちゃんでした。そして今回オカメインコちゃんが加わることになりました。
火葬中お客様と雑談をしている時に「如何して当園を選んだのですか?」と聞くと「正月で中々ペットの火葬屋さんが電話に出てくれないので、色々調べていったらクチコミサイトに『お骨が全部残る所がある。」と書いてあったのでここに決めたそうです。
申し込みをしながらその事を言っていましたが、傍で奥様が「火葬したお骨は本当に全部残るのでしょうか?」と不安げな表情で恐る恐るおっしゃいましたので、「心配しないで期待していてください。」「確りと全部のお骨が綺麗に残ってお客様の前にお持ちします。」と言うとニッコリ。
「足の指先も確り残ってお客様が見つけることが出来ますよ。」と言うと「ホント。」と一言。でも半信半疑の様子です。
礼拝所でお葬式を上げて、火葬炉に載せてお花で飾ってお別れです。飾るものは、火葬が微妙な火葬になるので脇の方に置いていただきました。
オカメインコちゃんの頭が大きくて薄いので、燃えカスが頭に当たると火葬炉の中のバーナーの風圧で飛んでしまうことがあります。そのために燃えカスが飛んでも頭に当たらない場所におく必要があるのです。
お花や食べ物で飾ってお別れして点火を見届けました。
火葬時間は、25分間。
火葬したお骨は真っ白でした。
頭のお骨にクチバシが上下確りとくっ付いてほっぺを横にして寝ている感じで、左右の翼も確りとわかります。
何と、足のお骨の先には足の指先の塊が二箇所点在していました。
「これ、指先ですよ。」「この尖っているのが。」「ホントだ。」「可愛い。」と指のお骨を体を前屈みにして覗き込んでいます。
背骨の中間よりチョッと下には、お客様が腎臓が悪いと言っていましたが、その部分のお骨がグレーの濃い色が着いていました。
お顔からクチバシ、下顎、翼、足の指先まで確りと残っていてお写真を一杯撮りましt。『凄く残りますね。」「こんなになるとは思っていませんでした。」「お顔が小さい。」と言いながら骨壷の中へお骨を入れています。
申込時の不安そうなお顔が笑顔に変わっています。
鎌倉からワザワザ八王子までお骨が全部残るとクチコミサイトを見て来たのでしょうが、火葬が終了してお骨を見るまで心配だったんでしょうね。
それが、期待していた以上の綺麗なお骨の残り方と火葬炉に入れたままの姿で火葬できているお骨を見て感激しているようです。
火葬前のお葬式や火葬炉でのお別れ、そして火葬中も涙が止まらなかった奥様もすっかり元気になりました。でもお骨上げは難しいです。
綺麗な姿そのままのオカメインコちゃんのお骨も、骨壷に入れるときはその姿をとどめて骨壷に入れる事は出来ません。骨壷の中は、最後に入れた頭のお骨が真ん中にあってお骨上げの時に落ちてしまったクチバシが頭の前に置いてあります。綺麗に骨壷に入れてお持ち帰り戴きました。
元気になった奥様も、大事な骨壷を胸に抱えて車に乗り込みお帰りになりました。
自分達の思い通りの火葬が出来て、胸を張ってお帰りになる様子は、晴れ晴れとしたお姿でした。