火葬したお骨を骨壷に入れる時が一番難しいです。
立会火葬の場合で、お客様に火葬したお骨をトレーに載せてそのままの形でお見せします。この時迄は、一つもお骨を弄らずにお客様の元に出しますので、お客様に大変喜ばれています。
理由は、火葬炉に入れたそのままの形で目の前に来ますので、お骨の形が色々と思う通りになっているので見れば皆様良くわかります。
正面に頭があってそれから背骨が弓なりに曲がって骨盤に繋がっていきます。
後ろ足の大腿骨から脛の部分の長いお骨があってその先が足の指のお骨です。
この足の指のお骨は踵の大きなお骨から足の平のお骨、指先のお骨が繋がっています。この足の平のお骨は網の上にありますが、指先のお骨はトレーの下に落ちている場合が多くあります。
そして、上に戻って頚のお骨が終わったところにポテトチップ見ない中たちをしている大きな肩甲骨があります。肩甲骨は2枚ありますので、肋骨や背骨の下になっている肩甲骨と上に乗っかっている肩甲骨があります。
上の肩甲骨は大体その場所から動いています。
それは、火葬する時にこの肩甲骨はその場所にあると、火が奥まで入っていかないのでスタッフが上にある肩甲骨を動かしています。
肩甲骨に繋がっているのが前足の大腿部、そして脛、指の平のお骨から指先のお骨に順に並んでいます。指先のお骨は、脛や大腿骨の下にある場合も多々あります。
このような形に火葬したままでお客様の前に出て来ます。
頭のお骨は横に寝かせてありますので、下顎から上顎まで良く見えます。
通常、歯のお骨は上顎と下顎に確り着いていますが、歯の色は黒くなっている場合が殆どです。それは歯についた歯垢で覆われているのです。
その為、歯の部分が黒くなっていたり、歯垢を落とすとその中が黒くなっているのが普通です。犬歯などは歯垢がついていてサックのようにその歯垢が取れる場合もあります。
この火葬した形を良く見てください。
黒い色や青い色が着いている場所があるかと思います。
その青い色の部分はお薬の色です。
そして、黒くなっている部分は総じて悪い部分です。
お骨の色は白が基本です。
通常のお骨は白い色をしていますが、何か問題のあるお骨は色が着いています。
また、お肉の燃えカスや内臓の燃えカスですが通常余り残りません。
残る時は、何やら内臓が硬化している場合に残る時が多いです。
この様に長年飼っていたお客様たちがお骨を見ると色いろと思い出す場面が多々出て来ます。お骨の悪そうな部分についてお客様が飼っていた時のペットちゃんの症状を思い浮かべれば思い当たる部分があるはずです。
その様な、お骨を見ながらこれからお骨上げの開始です。
小さなお骨の説明は、ペットちゃんの病気の状況を把握してから説明しますが、このお骨上げがお骨を持ち帰る場合は綺麗に出来るか否かの境目に当たります。
まず最初にして貰うのが、橋渡しの儀式です。
これは、早くペットちゃんに「天国へ行って下さい。」「天国にいけますように。」と思いをこめてお行い儀式です。二人で一つのお骨を持って骨壷に入れてからお骨上げが始まります。
- お骨上げは、太いお骨から順番に入れてください。
太いお骨から骨壷に収骨することによって下のお骨から上のお骨を入れる順番どうりになります。 - 足のお骨がおわりましたら、今度は前足の部分を入れてください。
これも地面に接しているので下の部類に入ります。 - 続いて行うのが、骨盤です。
骨盤は割れている時やもありますが、通常綺麗に左右が繋がった形になっています。
骨盤の中に入っているお骨が仙骨です。
仙骨は背骨と尻尾を繋いでいて骨盤の中に入っているので、この仙骨が割れていたり崩れているとそのペットちゃんは歩くことが出来ません。非常に大切なお骨です。 - 背骨を下の部分から骨壷に入れた上げます。
背骨は通常そのままの形で繋がってお客様の前にでてきますのでとても良く分るお骨です。
上に上がって背骨が肋骨の始まる部分辺りが腎臓です。この辺りが黒くなっていると腎臓が悪い事を示しています。 - 背骨を上に上っていくと肩甲骨の辺りで背骨の形をしていてそこから細長いお骨が生えているお骨達に出会います。
このお骨は肩甲骨と肩甲骨の間にある背骨で尖っている部分は神経が外に伸びている部分です。
通常人間でも肩甲骨の周りの背骨は外にゴツゴツと出っ張り触ってみると分ります。 - 続いて上にあるのが頚のお骨です。このお骨を入れてから肋骨や小さなお骨を入れるように致しましょう。
- 小骨が入れ終わったら頭のお骨です。
この頭を上手く入れられるか如何かがお骨上げの最大のポイントです。 - 頭のお骨を入れる前に骨壷の中を頭のお骨を綺麗に入れる為の作業をします。
それは、骨壷の中を平にして上げて頭のお骨を入れても安定するようにするためです。でも、ペットの種類によって頭の大きなペットちゃんがいます。その場合は、骨壷の中のお骨を平ではなくて、少し斜面を作ってあげて頭のお骨を前を下にして斜めに入れることで骨壷に上手く入れる事が出来ます。その準備をしてから頭のお骨のお骨上げです。 - 頭のお骨を入れる時は、箸を使わずに手手入れることをお奨めします。
箸を使うと頭のお骨を持った瞬間に崩れてしまう場合が多々あります。特にお骨が弱そうなペットのお骨では絶対に箸は使わない方が良いと思います。
又頭のお骨を入れるのは、なるべく奥様が適しているようです。その訳はご主人が入れると頭のお骨を骨壷の中に押し付けて割ってしまう場合が多々見受けられるからです、奥様の場合はその様なことがなく今までの経験上殆ど割らずに綺麗に入れている事が多いからです。
頭のお骨を持つ場所は親指と中指で目の周りのお骨の部分だけを持つのが一番上手く行っています。他の部分に手を添える方がありますが、そこに力が入ってしまって割ってしまう場合があるので手を添えて頭のお骨は持たないほうが良いと思います。 - 頭が入りました。一番の難関が終わったわけですが、そこで注意することがあります。果して蓋をしたときに頭のお骨が上手く骨壷の中に入っているか外に出っ張っていて蓋が閉まらないようだと困りますので、よく見て入るか入らないか確認してください。
入らない場合は、頭のお骨をもう一度入れなおす必要があります。 - 頭のお骨が入ったら、網の上やトレーの所に落ちている小骨や燃えカスを入れて参ります。
皆様に少しずつ入れてもらう場合もありますのでその際は順番に頭にかけずに回りに入れてやってください。 - くずのお骨が頭の廻りに入りました。これからは、先にとってあった顎の骨を頭の両脇に入れます。
この場合、頭のお骨に沿わせるようにして頭のお骨が動かないようにする必要があります。 - 続いて仙骨、第1頚骨、犬歯、そして最後が喉仏です。
喉仏はお箸で真ん中の穴に通して持ってから頭のお骨のお顔の先に前向きに入れてやります。
万が一お顔が正面を向いてない場合は、正面を向く様に骨壷の向きを直してください。
これでお骨上げが完成です。
これにネームカードとお写真入れがセットになっていますので、そのカードと写真入れを骨壷と一緒にお受け取りください。
以上でお骨上げの方法を説明いたしました。
これは、当園で行っている遣り方です。