現在火葬炉の下に置く受皿を作成しています。
この受け皿は、ペット火葬の時に遺体を載せて火葬炉の中に入れる非常に大切なものです。ですが、高温にさらされて摩耗や変形が起こり安くて、火葬の度に使用するものでから長い間使用に耐えるのが難しいのです。
特に、短辺方向の出し入れの時に使用するフックの付いた鉄棒を入れる穴辺りの部分の消耗が激しいのが難点です。
私達のペット霊園では、大型火葬車の受け台の所に耐火煉瓦を敷いて火葬炉を使用していますが、その下に以前は鉄板に穴を開けた板を使用していました。
最近は、その穴あき鉄板を使わないで、45φの網を鉄板の代わりに敷くことでこの耐火煉瓦を支える事に変更しています。
その為に、購入してある鉄板が余っていましたのでそれでこの消耗が激しい火葬炉に敷く受皿を作る事に致しました。
色々構想を練るうちに色々お世話になっている〇〇ステンレスの会社でこの鉄板を折り曲げてくれると云う了解がとれましたので一気にこの受け皿作成に進みました。
この受け皿の耐用回数の増加を計り、お客様の前にも出す物ですから見て目にも変形が起こらないようにしなければなりません。
その為に、今までこの受け皿の強度アップをする為に補強をして参りました。今使っている受皿で12回目になりますので、今回作成するのは13回目に使用する受皿なのです。
一番最初に火葬したのは、平成17年4月9日ですからもう10年経ちますが、この受け皿の今までの平均使用日数は320日位になります。
ここ最近の3回分の受け皿の使用期間が600日を超えていますので、受け皿的には非常に長持ちするようになってきました。
この長持ちする要因は、今までの経験を踏まえて受皿の強度アップと上に敷く耐熱マットのお蔭だと言っても過言有りません。
耐熱マットは別として受皿の補強の方法も随分進歩して強度がアップしてまいりました。
前回補強した方法は、50のアングルを受皿の内側に張り付ける事でした。
その前までは、幅50ミリの平板を受皿の外側に張り付けていましたが、折角受皿自体にドブ漬けメッキをして耐熱加工をしている部分を外側にした方がより鉄板の摩耗が減ると考えての事でした。
それは、思った以上の効果を発揮しました。でも内側に貼った50のアングルの摩耗がドブ漬けメッキをしている部分より弱いのが中に貼って上から耐熱マットで囲っていても顕著に表れて参りました。
今回は、その経験を踏まえてアングルを貼るのではなくてドブ漬けメッキの処理をしてある平板を受皿の内側に2枚張ることに致しました。
これに依ってアングルの断面係数と平板2枚の断面係数を同じにすることが出来ます。平板2枚を縦に使用する事で断面2次モーメントはアングルと比べるとより大きくなりますのでこの方法の方がより優れているのです。
その為受皿の長辺方向の反りや曲りを防ぐことが出来、メッキ処理をしている板ですので普通の鉄と比べて耐熱摩耗も少なくてすみます。
現在使っている12回目になる受皿は使用期間の目標を700日と仮定しているのですが、今回作成する13回目の受皿は800日を目指したいと思っています。
受皿の補強をする事に依る弊害は、重量が重くなることです。その点今回アングルから平板に変えて少し幅も小さくしたので重量も軽くなってくるはずです。
また、難点でした2枚の平板の立ち上がりの溶接部分も3枚を一度に溶接する事で溶接面積も増える事で溶接もしやすくなり溶接強度も上がりました。
実際に溶接してみると2枚の鉄板の先の溶接より3枚を重ねる事により溶接のビートの波形もより綺麗になっています。
この受け皿は、鉄板を曲げ加工をして、立ち上がりの部分に平板2枚を溶接するところまで行きました。時間の空いている時に少しずつ作成していますので、現在途中ですが完成まで今一歩の所まで進みました。
今回の受皿の補強も強度を増して見た目にも綺麗な受皿で気持ち良くお客様の大事なペットをお迎えしたいと思っています。